組織の中で経験を重ねていくと、「人前で話す」という場面が増えてくる。
・会議の司会進行
・発表
・勉強会
・挨拶
・何かの説明
など・・・・
得意であろうが、苦手であろうが、必ず経験しなければならなくなる。
私は人前で話すのが苦手である。
昔から「他人に教える」とか「他人に話しかける」とか嫌で、どちらかというと1人で静かに過ごしたいタイプだ。
しかし、『師長』という職につくと、そうも言っていられない。
周囲から「人前で話すのが好きそうだから良いよね・・・」と勘違いされているが、本当は苦手だと思っているし嫌なのだ。
自分が思っている自分自身の姿と周囲の印象は違うようだ。
苦手なので、他人から悟られないように、いろんな勉強をしてきた。
「人前で話せる」
「1分で心をつかむ」
「雑談の・・・」
などとタイトルの付いた本は一通り読んだ。
色んな勉強をしていく中で、共通して書いてあるのは
「相手の聞きたいことを話せ」である。
これはどんなケースにも当てはまる。
「発表」する時は、聴衆の理解度に合わせて話さなければならない。
「勉強会」もしかり。
「挨拶」は、聞いている人が「心地よい」と感じる言葉を並べなければならない。
「一生懸命さ」を伝える必要だってある。
「クレーム時の対応」であれば、相手の話をよく聞いて、上手に謝らなければならない。
この場合、相手は誠意ある「すみませんでした」という言葉が聞きたいのだ。
内容の説明が聞きたいのではない。
どんな場面もコミュニケーションは「相手の聞きたいこと」を言葉にするように心がけている。
深夜明けにスタッフに声をかける時は「お疲れ様」「ありがとう」である。
「この前、これもやってなかったよ」と注意することではない。
必要な注意は、そっと「私も気づくのが遅くなってごめんね、次からお互いに気をつけようね」という『次につなげる勇気づけ』が必要である。
認知症の患者さんには「なるほど」「確認しておきますね」という言葉が効く。
「話を理解してもらった」「聞いてもらった」という安心感を与えないといけない。
「まだ帰れませんよ」とか「今は動けませんよ」と言い、簡単に済まそうとする看護師も多いが、これでは不安を助長する。
(特に待ちきれない救急系の看護師に多い傾向にあると思っている)
「帰りたいですよね。先生に確認しておきますね」
「用事があったら私がしますよ。◯◯さんが頑張っているからすごく良くなってますよ」と言う方が効く。
なにはともあれ、話を聞いてほしいのだ。
『相手の聞きたいことを話す』
簡単なようだが、難しい。
しかし、これが上手く行った時、結果的に自分自身が楽になる。