現場で働く看護師にオススメ〜エキスパートナースの知恵袋
今日は1冊の本を紹介したい。
『エキスパートナースの知恵袋』という本である。
Twitterで「面白い」とつぶやいたら、多くの反響を頂いた。
「エキスパートナースの知恵袋」
すごく面白いです!これは病棟で働く看護師なら一人一冊、持っておいた方が良い。
この本は「基準」となるものが明確に書かれてあります。
医師への報告基準やドレーンの抜去基準など、現場で迷いそうな内容がビッシリ!
過去のエキナスの集大成です。 pic.twitter.com/OKSRsDEdeQ— めで師長@看護師ごときが勝手な事言います (@mede20201) December 25, 2020
amazonでは発売開始からいきなりの「品切れ」?
通常は「在庫あり」と表示されるのだが、2週間程度かかるそうだ。
私たち看護師は日常業務の中で常に「選択」を迫られている。
- 瞳孔が縮瞳?散瞳? えっと・・・何ミリ以下が縮瞳だったっけ?
- 胃管が入っている患者さんの排液が少なくなってきた・・抜く基準はどれくらい?
- 術後ドレーンの色がいつもと違う。大丈夫なのだろうか?
- アセトアミノフェン・・・1日量はどれくらい?
- 今の状態、呼吸が早い気がする。。。qSPFAって何だっけ?
- 心電図モニターでPVC(心室性期外収縮)が時々出る。どのタイミングで医師に報告する?
など。
「いつもと違う気がする」
「なんだか変」
「これは正常なの?」
「大丈夫かな?」
「夜中でも医師に言ったほうが良いのかな?」
と迷いながら仕事を行っている。
看護師は「判断基準」を知っておかなければならない
判断には必ず「基準」が必要になる。
基準を頭に入れておかなければ判断できない。
逆に、基準が頭に入っていれば、迷うことはない。
この「エキスパートナースの知恵袋」は一見どこにでもありそうな『普通の本』である。
しかし、じっくり読んでいくと、他の本と全然違うことに気づく。
一つ一つの項目で、先輩看護師が、若い看護師に意地悪な質問をする。
この質問の文も、ドキッとさせられる。
どこの病院にも一人はいそうな人である。
知識を武器に、正論を振りかざすタイプの先輩看護師である。
しかし、このような人が、実は質を保っている部分もある。
「嫌なことを聞いてくるな・・・」という印象を受けるが、大事なポイントを押さえて聞いてくる。
なかなか面白い。
この本は過去のエキスパートナースの集大成だそうだ。
過去のエキスパートナースと紐付けられており、過去のエキスパートナースを持っている人は、その号の特集を読めば深く学べる。(そういうマニアックな人はいないと思うが・・・)
過去のエキスパートナースを読んだことが無い人にとってはお得である。
初めからまとめられているのだから無駄を無くせる。
「おわりに」の文章では衝撃を受けた。
エキスパートナースの編集を行っていた編集長が若くして亡くなったそうだ。
この本は沢山の人の手で作られている。
誰かが誰かの役に立つよう努力して作られている。
その痕跡を感じる一冊だった。
私は新人看護師にプレゼントすることを決めた。
現場で必要な知識がしっかりと書かれてあり、すぐに活かせる。
そして、先輩になったときは、この「項目」を後輩指導に生かせる。
どう活用しても、損はしない1冊になっている。
皆さんも立ち読みでも良いので一度読んで欲しい。
手元に置いておきたくなる本である。
学生の時に持っておけば、働きだしてすぐに役に立つだろう。
久々に心が動かされた1冊である。