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クラスターフェスと看護師の権利

クラスターフェスと看護師の権利

国民主権党という政党?が「クラスターフェス」なるものを開催したらしい。

  • マスクをしない
  • 蜜になろう

など、今の時代に逆行した行動をみんなで起こそうとするフェスを行ったらしい。

 

もちろん、ネット上では批判が殺到し、医療関係者の中には「こういう人は病院に絶対来るな」と敬遠する発言も散見される。

 

色んな人がいるものだ・・・

 

日本人特有の同調圧力が嫌なのか、我慢するのが嫌なのか、ただのアホなのか知らないが、とにかくこれだけ「コロナ、コロナ」と言われている時代にこういう行動を起こす勇気だけは讃えたい。

 

 

さて。

 

別にクラスターフェスタを批判したくて記事にしたいわけではない。

 

私たち看護師はこの「変わった人たち」や「犯罪者」を裁く権利はない。

この人達が病気になれば助けようとするし、犯罪者(飲酒運転で事故にあった人や薬物中毒の人、人を殺した人)でさえ、怪我や病気をすれば助ける。

 

もちろん、人間なので「死ね」とか心のなかで思っているかもしれないが、その思いを隠しながら「大丈夫ですか?」「痛みますか?」などと声をかける。

 

看護師は「感情労働」と言われている。

ウィキペディアによると、

感情労働に従事する者は、たとえ相手の一方的な誤解や失念、無知、無礼、怒りや気分、腹いせや悪意、嫌がらせによる理不尽かつ非常識、非礼な要求、主張であっても、自分の感情を押し殺し、決して表には出さず、常に礼儀正しく明朗快活にふるまい、相手の言い分をじっくり聴き、的確な対応、処理、サービスを提供し、相手に対策を助言しなければならない。

とある。

 

腹が立つ発言をされても、自分の感情コントロールが求められる職業である。

つまり、「おとな」でなければ務まらない。

 

一つの事象に対してギャーギャー騒ぐような幼稚な感情レベルではプロとしての仕事ができない。

 

腹が立つ気持ちはわかる。
助けたくない気持ちもわかる。
「アホ」とか「死ね」とか思ってしまう気持ちもわかる。

 

だが、それをコントロールするのがプロである。
心から笑わなくて良い、「笑顔」に見えるように顔を作るだけで良い。

 

俳優であるべきである。

 

先日、「ある精神科病院のスタッフが患者に殴られて殴り返した」とニュースで流れていた。

かなり不利な条件であるが、殴り返して怪我をさせたらこちらが悪くなる。

しかも、よりによって「精神科」である。
「鍵がかかっている空間」でこのような事が起こるとどうなるか・・・

保健所から調査が入り、日常的に虐待行為が無かったのか、調べられるのがオチである。

 

自分がどんな感情を抱こうが、社会の中で生きている以上、それに従うしかない。

外で人から殴られて殴り返すのと、精神科病院の中で殴られて殴り返すのは話が違う。

社会の構造やルール(法律など)含めて、知識が求められる。

医療や看護の勉強ばかりしていては上手く行かない。
継続的に幅広く勉強しておく必要がある。

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この記事を書いた人

【めで師長】
ある総合病院で看護師長をやっています。
看護師経験は20年以上で、精神科・ICU・内科病棟の経験があります。

Twitterで書ききれない内容をブログの中で好き勝手書いています。
このブログが誰かのお役に立てれば幸いです。

※ブログの更新は不定期です。

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