歳をとってくると、だんだん「予防」に力を入れるようになる。
- 怪我をしないように
- 遅れないように
- 飲みすぎないように
- 疲れないように
など、若い頃に行っていた「無理」「無茶」をやらなくなる。
これはこれで生きていく上での知恵なのだろうが、ある意味「負荷」からの逃避でもある。
時々自分の「限界」は確認していたほうが良い。
- 何時間起きていられるのか
- 何時間本を読み続けられるのか
- 5000字のレポートを何時間でまとめられるか
- 何キロくらい走り続けられるか
- どれくらいの量を食べられるのか
- どれくらいお酒を飲めるか
最後の「お酒」はどうでもよいのだが、「ちょっとした無理」が効くのかどうか時々確認しておくべきだ。
「本気を出せば出来る」
「自分は本番に強い」
などと豪語する人もいるが、「本気」というのは大人になるとなかなか出せない。
若い頃、スポーツで「練習で全力を出せ」「試合は8割の力で行け」と言われていたが、その意味がわかる。
普段から全力を出さない人は、本番で全力は出せない。
先日、久々に登山に行ってきた。
さほど高い山ではなかったのだが、悪露に足を取られ、バランスを崩したり滑ったり、後半は足が上がらなかったりと大変苦労した。
登る前は「楽勝でしょ」と思っていたので、自分の甘さを思い知った。
富士山に登る人は「登山の練習」をやるという。
(私は興味がないので、富士山に登りたいとは微塵も思わないのだが)
やはり、本番前の練習というのは十分にやっておかなければならない。
自分の身の程を知って、努力しようとする気になった。
医療においても同じである。
普段から「いつか使う」知識を「普段から」勉強しておかなければ、突然目の前に出てくる患者さんの症状に対応できない。
継続して勉強していない人は、目の前の事象に対応できない。
筋トレと同じである。
管理者も時々「現場業務」に携わったほうが良い。
今まで「できていた事」が「できなくなっている」事に気付かされ、世界観が変わる。
そして、スタッフに感謝するようになる。
自分自身を正しく知っておくことで「限界」がわかる。
限界を知っていれば、周囲に力を借りる判断材料になる。
1人で何もかも抱え込んでしまうと、気がつけば動けなくなる。
一つずつで良いので、自分の限界を確かめてみよう。