勝手に言いたいこと 仕事(医療・看護)

処方だけ、1日だけ

2020年8月20日

月に数回、救急外来での勤務(夜勤)がある。
救急外来で勤務をしていると、「外部」から電話がかかってくる。

主に相談の電話なのだが、先日の夜勤では「他の病院からもらっている薬が今日で切れたので、1日分だけ処方してもらいたい」との問い合わせであった。

精神科の患者さんからの問い合わせだったのだが、基本的に『長期的に薬をコントロールしている患者さん』の「1日だけ」の処方はしない。

薬の内容が違ったり、他院であれば、同じ薬を出せない場合もある。
まして、精神科となると、今での経過を知らないで安易に処方はできない。

 

もちろん「お断り」案件になるのだが、患者さんは納得しない。

 

比較的大病院になると、世間からは「何でも対応してもらえる」「何でもできる」というバイアスがかかる。
緊急的な治療はできるが、このような「慢性的な」案件に関しては対応が難しい。

 

「申し訳ありませんが、かかりつけ医の方にご相談ください」というのが関の山。

それ以上の提案は難しく、患者さんの話(クレーム)を延々と聞いていくしかない。
患者さんによっては電話口で怒鳴り出す患者さんもいる。

 

くだんの患者さんはなかなかの強者であった。

 

電話を切ったあと、1~2分後にまたかかってくる。

説明している途中で電話を切る。

そして、またかけてくる。

 

ご家族からも電話があり、「本人が『処方してもらえるようになった』と言っていますが、本当でしょうか?」という問い合わせ。

「処方できない」と説明しているのに、家族には「処方してもらえる」と言っているようだ。
(家族は理解の良い人で助かったが・・・)

 

そして、このやりとりが約2時間続いた。

1人の電話に2時間・・・

 

これも仕事だと言い聞かせているが、こういう日もある。

 

 

基本的に「救急外来」というのは、「救命」や「一時的な対処」をする場所である。
「かかりつけ医」にはならないし、「処方だけ」は行わない。

 

今の状態が「命に関わるか否か」を判断し、必要であれば対処する。
急ぎでなければ、地域の病院につなげる。

 

「症状が悪い時にだけ、救急に行けば良い」では、根本的な治療はできない。
あくまで対処療法でしかない。

 

しかし、救急外来には「お得意様」がいる。

・普段酒ばかり飲んでお金がなくなった頃に「入院させてくれ」という生活保護の患者さん
・「眠れない」と定期的にくる患者さん
・「風邪薬が無くなった」と定期的に受診にくる患者さん

受診拒否はできないので、難しい問題であるが、「違うよ・・・」と感じる時がある。

 

納得できない事をやるのも仕事・・・と言い聞かせているが、やはりそこは人間。

 

心の中で「バカじゃないの」と思っても、うっかり口にしないよう気をつけないといけない。
顔に出さないのがプロなのだ。

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