新しい部署に変わって3ヶ月が経過した。
私の前の師長は『感情』を表に出すタイプで、朝礼の時から「怒られる」のは日常茶飯事だったそうだ。
私は絶対にそのような事はしない。
これだけで、私の「株」は上がっているので、ありがたい事である。
マネージャーというのは『人を動かす力』を持っていないといけない。
数年前までこの事が良くわからなかった。
現場の仕事を「手伝う」のも悪くないが、せっかく手伝うのなら目的を持って手伝うのが良い。
日常的に現場の仕事に入るのは良くない。
本人は「やっている感」「達成感」「必要とされている感」を得られるが、全体を動かすというのはこういう行動ではない。
私はICUの経験があり、周囲のスタッフより少しだけ知識がある。
これは私の「強み」でもあるが、この強みを活かしたいが故に、すぐに現場看護に首を突っ込みたくなる。
急変があれば、”やる気スイッチ”が入って、現場を仕切ってしまう。
「自分はまだ現場でやれる」と思いたいのだろう・・・
はた迷惑な師長である。
スタッフからは「助かりました~」と感謝されるが、これはあまりよろしくない・・・と最近反省している。
スタッフを動かさなければならない立場なのに、私自身が動いてしまっている。
まだまだ半人前である。
人間には、つい動かされてしまう「3つの感情」というものがあるそうだ。
・恐怖心
・義務感
・罪悪感
の3つの感情である。
どれもあまりポジティブな感じがしないのだが、この3つの感情で動いてしまうという。
私は「恐怖心」を与えて動かすことはやりたくない。
色んな本を読んできたなかで、「恐怖心」で人を動かすことは「一時的」であると考えているからだ。
常に「監視」しておかなければならないので、時間が勿体ない。
そもそも、私のキャラクターに合わない(と思う)
なので私は「義務感」や「罪悪感」を活かして上手に人を動かさないといけないようだ。
「義務感」や「罪悪感」を発生させるには、「しかけ」が必要になる。
提出物を例に考えてみよう。
「7月30日までに提出して下さい」という伝え方ではダメだ。
「7月30日が提出期限になっているのですが、いつまでに出せますか?」と、期限を相手に決めさせないといけない。
こちらから「7月30日まで」と言うのと、期限を知らせて「いつなら出せる?」ではその後の結果が大きく違ってくる。
「自分で決めたこと」には「義務感」が生じる。
そして、万が一その期限を過ぎると「罪悪感」が生じる。
要するに、「自分で『7月25日までには出せます』と言ったのに、出せてない・・・」という『後ろめたさ』が発生する。
この「後ろめたさ」を発生させる仕掛けが必要なのだ。
少々やり方が汚いようにも映るが、管理者は時に、こういうイヤな事もやらなければならない。
なかなか提出物を出せないスタッフには「いつなら出せます?」と聞いてみると良い。
これだけで、結果が大きく変わってくる。
管理者の方は是非参考にして欲しい。
ストレスが1つ減るかもしれない。