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「めでろぐ」について

師長になって数年経つ。

看護協会が開催している看護管理者研修「ファーストレベル」「セカンドレベル」を終え、
出来が悪いながらも「師長」として働けている。

 

『管理者としての資質』がない私が管理者として働いている。

 

本当はこんなはずではなかった。

 

もっと「役に立つ」(人の役に立ったと実感できる)仕事をやりたかった。

 

患者さんの側で看護して、「ありがとうね」と言われ、
「いやいや、仕事ですから~」と言い続けたい。

 

管理者の誘いは数回断ったのに、結局受け入れてしまった。

 

どこかで「何かを変えられるかもしれない」という淡い期待があったのだろう。

 

で、実際にはどうだろう?

 

 

来る日も来る日も、病棟の「トラブル」に対処し、
スタッフの話を聞き、笑顔で勇気づけ、会議に出る。

 

会議に出れば、『新たな仕事』が増え、
たいして役に立たないような仕事に取り掛かる。

 

何をやったのか、何を得たのかわからず一日が終わる。

 

 

『管理とは孤独な仕事である』

 

とセカンドレベルの講義で誰かが言っていた。

 

 

はじめは「スタッフから嫌われる」とか
「嫌なことを言える人にならないといけない」と思っていた。

 

 

しかし、それは違う。

 

 

スタッフは慕ってくれているし、世間話もする。
ちょっとした事でも報告してくれるので、関係は悪くないと思う。

 

ただ、こちらからスタッフに話せる情報は限られる。

 

 

そう。

 

思ったことを正直に吐き出す場が無いのだ。

 

 

師長だって人間である。

不満だってたくさんあるし、納得の行かないこともある。
好きな人だって、嫌いな人だっている。

 

ただ、感情を表に出すと、現場の『空気』が揺れる。

 

組織では「何を言ったか」よりも「誰が言ったか」が優先される。

 

役職が上になればなるほど「発言」には重みが出る。

 

というか、勝手に周囲が気を使う。

 

『良い師長』とは、トラブルに率先して対処し、感情の起伏がなく、
ミスをしたらフォローし、いつも笑顔で挨拶をくれる人だ。

 

悪い師長は、トラブルはスタッフに丸投げ、スグに機嫌が悪くなり、
ミスをしたら攻め、ムスッとしている。

 

前者は組織のパフォーマンスを上げるが、後者はパフォーマンスを下げる。

スタッフは患者の方を見ずに、師長の顔色を伺うようになる。

 

 

どこを見て仕事をするのかによって全てが変わる。

 

小さなことかもしれないが、「挨拶」ひとつ忘れただけで、
その日のスタッフのパフォーマンスに影響する。

 

それを知っていると、「どうスタッフに最大のパフォーマンスで働いてもらうか」が管理者の手腕になる。

やる気を出させる方法、依存せずに自立する教育、仕事にやりがいをもたせる方法。

 

色んな研究で明らかになっている事を実践しながら組織を動かす。

 

Googleのプロジェクトアリストテレスという実験なんてその中の一つ。

 

ただ、個人的には全然面白くない。

 

 

長くなったが、このブログは私の「吐き出す場所」として作った。

 

話を聞いてもらいたいが、聞いてほしくない。

そんな気分で書いている。

 

このブログが、どこかの誰かの役にたつなら本望である。

 

師長の中にはこんな人もいるんだ・・・

くらいで聞いてもらえたら幸いである。