新人看護師が入職して9か月が経つ。
部署では毎月、新人看護師の成長具合を確認する会議を行っている。
入職当時と比較すると、驚くほど成長していることに気づく。
前回の会議で、新人看護師が「勉強のしかたがわからない」と言っていた。
勉強に取り組もうとするが、どのように何から手を付けたらよいのかわからないという事である。
誰しも一度は経験する壁なのかもしれない。
ハッキリ言って、これに答えは無いと思っている。
勉強方法は10人いれば10通りある。
おススメの本はあるが、それがあなたに合うかはわからない。
ただ、1つだけ間違えてはいけないことがある。
どんな本でもよいだが、1冊本を買ったらそれを「通読しておく」ことが大切である。
読んだときに内容を覚えなくてもよい。
その本に「何が書かれてあるか」は把握しておくべきである。
何の世界でも同じかもしれないが、医療の世界は幅が広い。
一朝一夕で覚えられる量ではない。
継続的に学習することはもちろん大事であるが、すべてを覚えることは不可能だと認識しておいた方が良い。
その症例に当たった時に、本を開き、しっかりと理解することが大事である。
「どこに何が書かれてあるか」がわからず、ゼロから探しに行くには労力がかかりすぎる。
その本に「何が書かれてあるか」を知っているだけで効率がグンと上がる。
1分以内に「あの本に書かれてあったな」と思い出せれば、あとは本を開いて読むだけである。
実はこれ、P.ドラッカーが「これから先は情報リテラシーが必要な時代になる」という言葉で遺している。
情報がどこにあり、どこから引き出せば良いのかを知り、情報をうまく活用する能力が必要である。
インターネットは便利であるが信用性が薄い。
ガイドラインの確認程度ならインターネットが便利であるが、確立された治療方法や正しい医療の知識は本の方が役に立つ。
ぜひ1冊本を買って『通読』しておこう。
勉強が楽にできるようになるはずである。