看護師の業務は動線が命
日常の業務の中で、「動線」を意識して働いているだろうか?
私たち看護師は常に動いている。
人間相手の仕事なので、自分のペースで仕事が行うのが難しい。
何度も同じ場所を行ったり来たりしなければならない事もある。
患者のベッドサイドにバイタルサインを取りに行く事を考えてみても・・・
バイタルサインセット(血圧計・SpO2モニター・体温計・聴診器)を取りに行き、
それらを持って患者のベッドサイドまで歩く。
体温を測定した後、『アルコール綿花』を持ってくるのを忘れたことに気づき、取りに行く。
途中で輸液のアラームが鳴り出し、行ってみると刺入部から血が出ている。
またアルコール綿花を取りに行く。
アルコール綿を止めるテープがポケットの中に無かったので、それも取りに行った。
冷静に状況を見れば気づくのだが、このような事は日常的にある。
慣れているベテラン看護師は、不測の事態に備え、アルコール綿花をポケットに忍ばせる。
または近くに置いておく。
よく使うものは、近くに置いておいたほうが良い。
手袋、ビニル袋、ビニルエプロンなど、頻回に使うものは
近くに置いてないと仕事のスピードが毀損される。
- 注射を作成する『注射台の位置』
- 患者さんの冷所薬を入れている『冷蔵庫の位置』
- 緊急時に使用する『薬(常備薬)の位置』
- 使用した時にすぐに記入できる『処置箋(伝票)の場所』
何となく「初めから置いてある位置」に慣れてしまっていないだろうか?
人間は環境に慣れてしまう動物である。
良く言えば「環境に順応できる」動物なのだが、
一度覚えた習性はなかなか変えようとしない。
私は今の部署に来て、全てを疑って見た。
看護師が『冷所薬』を冷蔵庫まで取りに行く姿を見て、
「冷蔵庫までの距離が長い」と考えて冷蔵庫の位置を変えた。
冷蔵庫の場所を変えただけで、全ての看護師の歩く距離が減った。
動線は「全ての看護師」に影響する。
一回一回は小さなロスかもしれないが、
チリも積もれば・・・で業務スピードが大幅に変わってくる。
一つだけでいい。
動線を短く出来る工夫ができないか見直してみると良い。
その瞬間から業務の流れが変わってくるのを実感するだろう。