MENU

話すのではなく聞け

話を聞け
目次

病院で起こるクレーム対応

Twitterにもつぶやいたが、先日救急外来(ER)夜勤で一発目からクレームの電話を受けた。

前勤務の医師へのクレームだったのだが。。。

  • さっき対応した医者の名前を教えろ
  • あの若造が、俺より若いくせに

という「お怒り」のクレーム。

 

どうやら対応した医師の態度や言い方が気に食わなかったらしい。

はじめに電話を取った「警備のおいちゃん」も「どうしたら良いでしょうか?」という弱腰な発言。
仕方がないから「私が話します」と電話を取った。

 

はじめは勢いのあった患者も、一通り話を聞いて謝罪を繰り返すと、だんだんトーンが落ちてきて最後には世間話を始めた。

「医者と直接話したい」と最後まで言われていたが、「お気持ちはわかりますが、最近は病院でも色々と困った事が起きていまして・・・インターネットに書き込みなども病院としても困りますので、私の一存では・・・」と話すと「そうか」と許してもらえた。

 

言い方が悪いが、私から見てその医者と話しても余計に話がこじれそうだったので、「難しい」で断った。
(普段から「上から目線」の話し方で、人の話を聞けない、病院の中でも有名な医者だった)

 

クレームの応対にはポイントがある。

「なるほど」
「◯◯様(相手の名前を適宜入れる)」
「相手の訴えを復唱する」
「おっしゃるとおり」
「ごもっとも」
「申し訳ありません」

でとにかく相手の話を「聞く」

そして、可能ならできるだけ「こちら側」をこき下ろす。
(「話のわからない医者がいて申しわけありません。」「指導が足りずにご迷惑をおかけしました。」など)

 

相手が「医者の態度が悪い」と思っているのなら、会話中は「医者の態度は悪い」で通す。

「その時間は患者さんが多くて・・・」とか「医者も忙しい」とか「普段はそんなことないのですが」は関係ない。
とにかく、相手の話に合わせる。

 

相手は説明を求めているのではない、「感情」を理解してもらいたいのだ。

「イライラした」
「バカにされた」

など、その人にとって「大切にしている部分」が傷つけられたのである。

 

怒ってる本人も、何に怒りが湧いてきているのかわかっていない事もある。
カーッとした時は、本人もわからずカーッとなっている場合がある。

それを聞きながら、吐き出していくと、だんだん「なぜこんなに怒っているのだろう?」と思うことが殆どである。

通常の人であれば、大抵はおさまる。
(まれに、精神疾患がある人が来てまとまらない時もあるのだが・・・)

 

ただし、相手の要求に答える必要はない。
(今回なら、「医者の名前を教えろ」という要求)
組織としてできない・・・のなら「私の一存では」「今の時間帯は」などと言って、謝罪をしながら話を聞く。

そのうち、「あんたも大変だな」という雰囲気になってくる。

今回は結果的に1時間ほど話を聞いて、最後には「ありがとうね」と言われて電話が切れた。

 

医者の尻拭いだったが、「上から目線」や「相手をバカにする言い方」は絶対にNGだ。
プロは本意でなくても「大変でしたね」とか「痛みますよね?」という言葉がけができないといけない。

大変さを「わかってもらった」と感じれば、大抵は黙る。
そして、わかってくれる人の言うことは聞く。

こちらからすれば「大した症状ではない」時でも、「きつかったでしょう」「痛かったでしょう」とはじめに一言添えれば、その後の対応はスムーズになる。

 

時々アホな医療者が、「これくらいなら、受診しなくても良いですよ」などと言う。
このアホのせいで、後にクレームとなって帰ってくる。
思っても口にしてはいけないセリフもあるという事を理解しておくべきだ。

また、医療を受けるか否かを決めるのは患者側であるということも肝に銘じておくべきだ。

 

デール・カーネギーの「人を動かす」という本に全て書いてある。
特に管理者は絶対に読んでおいたほうが良い。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

【めで師長】
ある総合病院で看護師長をやっています。
看護師経験は20年以上で、精神科・ICU・内科病棟の経験があります。

Twitterで書ききれない内容をブログの中で好き勝手書いています。
このブログが誰かのお役に立てれば幸いです。

※ブログの更新は不定期です。

目次