皆さんはスマホや車を持っているだろうか?
様々なテクノロジーにより私たちの生活は便利になってきている。
しかし、このテクノロジーにより失われているものもあるかもしれない。
今日はある本に書かれていた内容を紹介したい。
自動車は「移動効率」という面で言えば徒歩よりも断然優れている。
時速6kmで近所を散歩する代わりに、今では車で時速100km以上出して移動が可能になった。
しかも労力はほとんど使わなくて良い。
時には渋滞に巻き込まれるかもしれないが、あなたは自分の車の「平均速度」は現実にどのくらいだと思うだろうか?
30km/h?
40km/h?
体感的にはそのくらいだと考える人が多いと思う。
最近の車は平均数値が出るので、40~50km/hという値を出すかもしれない。
しかし、正確には「車の購入費を稼ぐための時間」や、車の保険料や維持費、ガソリン代、交通違反の罰金を支払う時間を考慮して計算すると・・・
車の平均速度は「たったの6キロ」程度だった・・・という研究結果があるらしい。
イヴァン・イリイチという人がこれを「反生産性」と名付けている。
テクノロジーの多くは、一見それによって、時間とお金を節約できているように見えても、実際にかかったコストを計算してみたとたんに、その節約分など消えてしまう・・・という事実を示している。
これはパソコンにも言えると思う。
病院は電子カルテによって、色んな事が便利になったように見えるが、パソコンの購入費や維持費、操作を覚える時間、ページをめくる度に待たされる時間・・・などを考えると、生産性が本当に上がったのかどうかなんてわからない。
パワーポイントの資料も然り。
スライドの作成に何時間もつぎ込んで作っても、利益はゼロである。
スマートフォンも同じである。
高い代金を払ってデバイスを購入し、毎月余計な通信費は取られ、他人とつながりを求めるために時間を使い、依存して健康を害している人も出てきている。
スマホで何枚も写真を撮ったなら、その整理をする時間も必要になる。
子供の成長や結婚式の場面で、「撮影(記録)」に必死になるあまり、その場の感動や拍手が消え失せてしまっていないだろうか?
テクノロジーというものはたいてい、登場したときには素晴らしく、とても便利になったように見えるが、人生の質を高めてくれる物ではない。
本当に必要なものと必要で無いものを見分けられなければ、本当の幸せから遠のいてしまう。
自分に取って必要なものは何か・・・
一度考えてみるのも良いかもしれない。