○○さんが、仕事中に手伝ってくれなくて困っています。
○○さんの口調が強くて困っています。
○○さんの・・・
すべての悩みは対人関係の悩みである
===アルフレッド・アドラー
組織で働いていると、どの世界でも必ず出てくる言葉である。
「○○さんが困る」的な内容。
管理者の皆さんは、どのような対策をとっているだろうか?
私の経験上、通常であれば「『放置』しておけば解決する」というのが答えだ。
対人関係の問題は、「洗濯物」に似ていると私は思っている。

濡れた洗濯物を、急いで乾かそうとしても、なかなか乾かない。
ドライヤーやアイロンを使って、強制的に乾かそうとしても、時間がかかる。
時間がかかる割に、カラッと乾かない・・・
一番良いのは「干しておく(放置しておく)」ことだ。
そうすれば、自然と乾く。
第三者である管理者が慌てて対応をゴチャゴチャ考えたところで、あまり良い結果は得られない。
下手したら、双方の関係さえ悪くなってしまう。
管理者のスタンスとしては「中立」が必要である。
もちろん、犯罪行為(窃盗行為など)や暴力行為、セクハラが明らかにある場合は話は別であるが、通常の「対人関係の困った事例」は放置で良い。





文章で書くと、とても冷淡に聞こえるかもしれないが、まずは「聴く」ことである。
人間には「修復能力」というのがある。
環境適応能力もある。
各々が、上手に回避する方法を見つけていかなければならない場合がほとんどである。
第三者である師長が、片方の話を聞いて、悪役の人に「どういうことか説明して?」などと詰め寄ってはいけない。
師長としては中立で、バイアスがかかっていないつもりでも、相手はそう感じない。
「相手がどう感じたか」という視点はとても重要である。
下手に動くと「師長が理解してくれない」と矛先がこちらに向いてしまい、いびつな形になる。
「やぶ蛇」とはまさにこのことである。
やぶへび【藪蛇】
余計な事をしたために、いらぬかかわりあいになり、思わぬ不利や災難を招くこと。
対人関係のトラブルは、少し様子を見るのが良い。
最低でも2週間は様子を見てみよう。
観察しながら、「患者さんに不利益がある」と判断した時は、問題のあるスタッフと対話すれば良い。
片方の意見を鵜呑みにしないように注意しないといけない。

少しは冷静になれるはずである。