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患者の何を見ているのか?

師長ブログ

先日、他の病棟から転棟してくる患者さんがいた。

3日ほど前から「せん妄症状」が落ち着かないとのことである。

 

カルテを見ると、元々ADL(日常生活)は自立。

入院時(2週間ほど前)は疎通も取れており、入院直前(2週間ほど前)まで仕事をやっていた。
年齢は60歳代。

 

 

「3日前からせん妄がある」と言われて、カルテをさかのぼってみた。

1週間ほど前から、ほとんど食事が入っていない。
ナトリウムが124mEq/Lと低値。
転棟依頼の前日からナトリウムの補正が点滴で始まっているそうだ。

低ナトリウム血症は意識障害の原因になっているかもしれない。

 

何となく変な感じがしたので、転棟してくる前に患者さんに会いに行ってきた。

視点が合わず、ソワソワしている。
椎体外路症状と思われるような小さな震えも見られる。

輸液を見ると「生理食塩水」が30ml/hで投与されている。

 

食事がホトンド入っていない状態で「生理食塩水?」
糖は?ビタミンは?
これで1週間放置?

血糖測定もやっていない。
尿量測定や観察もやっていない。
排便は10日以上出ていない。

 

当院は急性期病院である。

久々に目眩を覚えるほどイラッとした。

「お茶はたくさん飲んでいるみたいです」と他人事のように話す看護師。

 

今日はただの愚痴になってしまうが、人間が生きる上で、水分や栄養、ビタミンは必要不可欠である。

基礎疾患や目の前に表れている「症状」に気を取られて、基本的な部分を見ていない。
そもそも、見ようとさえしていない。

 

自分の部署では絶対にこんな管理はさせない。
というか、そもそも、こんな状態に気づけない事はない。

 

さすがに黙っておれず、病棟師長を呼んで注意した。

「なにかおかしい」を「様子観察」にしてダラダラやっているのだ。

ご飯も食べず、お茶だけで1週間過ごしたら悪くなるに決まっている・・・

何を見て『看護』をやっているのか・・・

 

低ナトリウム血症はゆっくり補正しないといけない。

低ナトリウム血症を急激に補正すると,浸透圧性脱髄症候群などの神経系の合併症のリスクが生じる。
そのため重度の低ナトリウム血症がみられる患者であっても,最初の24時間で血清ナトリウム濃度を8mEq/Lを超えて上昇させるべきではない。
また,重度の低ナトリウム血症の治療開始後数時間を除いて,ナトリウムは0.5mEq/L/時を上回る速さで是正すべきではない。

 

私たちは看護師である。

人間の身体を見るプロである。

もう少し、患者の状態をよく観察して頂きたい。

 

今日はただの愚痴になってしまい申し訳ない。

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この記事を書いた人

【めで師長】
ある総合病院で看護師長をやっています。
看護師経験は20年以上で、精神科・ICU・内科病棟の経験があります。

Twitterで書ききれない内容をブログの中で好き勝手書いています。
このブログが誰かのお役に立てれば幸いです。

※ブログの更新は不定期です。

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