師長になると、様々な「データ」から他の部署と比べられる。
- 褥瘡件数
- 転倒転落件数
- 入退院数
- 訪問看護数
- のべ人数
- 回転数
- 加算件数
など
様々な「結果」が部署ごとに表示される。
私なんぞは「くだらない」と斜に見ているので、何とも感じないのだが、師長によっては「うちの部署の成績が悪い」「あの部署より良い」と色んな悩みを抱えているようである。
他と比べてどうするのか?
結果を横に並べて他と比べても仕方がない。
比べるのなら、自部署が良くなっているのか、悪くなっているのか、あまり変わっていないのか、過去のデータと照らし合わせるべきであろう。
入退院の多い部署はいつも多い。
それは、疾患や患者層によって違うから比べても仕方がない。
それが特徴である。
力士がマラソン選手に「走る速さ」で勝てるわけがない。
マラソン選手は力士に「力」では勝てない。
特徴というのは強みである。
さて、今日はこのような事を書こうとしたのではない。
(いつも話がそれて申し訳ない)
「結果」はあくまで「一部」なのだ。
氷山の一角という言葉を聞いたことがあると思う。
アイスバーグモデルという言い方もするが、表に出ている「結果」の下には多くの要素があるのだ。
アイスバーグモデルでは「氷山(見えている部分)」を「成果」と呼ぶ。
目に見えない水面下の部分は3つに分かれていて、
- 能力・スキル
- 習慣・行動
- 意識・想い
とある。
一番深層部分は「意識」である。
一番浅い部分の「スキル」を高めて結果を出しても長続きはしない。
「人の話を聞くスキル」という本を読んでも、表面だけで、相手の話を真に聞くことはできない。
「想い」があり、「行動」につなげ、「スキル」を生かして成果を出すのだ。
私たち看護師はプロである。
深層に「良い看護をやりたい」「こんな看護師になりたい」という思いがなければ、いくら勉強したところで役に立たないし、末永く成果につながらない。
逆に言えば、「良い成果」が出たのなら、その下の要素を確認しておかなければならない。
たまたま結果が良かっただけなのか、深層が変わってきているのか・・・
それを見極められるのは、全体を俯瞰している師長なのかもしれない。
目の前の「結果」に一喜一憂する前に、大事なものを捉えているか、もう一度振り返ってみようではないか。