新人看護師の指導の中で「引き出す」と言うワードが近年主流になってきた。
「教える」のではなく「引き出す」ということだ。
私は若い頃「バスケットボール」を長い間やっていた。
コーチに指導され、「正しいシュートフォーム」を練習し、走り込み、限界まで練習し、体力も技術も磨いたつもりであったが、県大会で当たった(全国大会で1位になった学校)にコテンパンにやられた。
長い間やってきたが、私にはバスケットボールの才能がない・・・と気付かされた瞬間だった。
今になって気づくのだが、目的は「正しいフォームを身につける」ことだったのか「シュートをたくさん決めることだったのか」・・・
自分自身でわからなくなっていた。
バスケットの本(教科書)をいくら読んでも問題解決にはならない。
目的を達成するための行動がブレていた。
正しい行動をやっても欲しい目的に到達できないなら意味がない。
つまり、他者と自分を比べて、他の人のフォームを真似しようとしても無駄で、それよりも自分らしいフォームを身につけることに専念すべきであった。
自分のフォームを徹底的に変えるのではなく、今のフォームを上手く使って結果を出せるようにする方法を見つける。
看護の世界も同じである。
他人の言うことに左右されていては、問題の本質がわからなくなり、解決する答えは見つけられない。
答えはすべて自分の中にあるのだ。
「他の病院はこんな事をやっている」とか、「看護業界がどうのこうの」とか、外部の話をする人が多いが、外部環境の変化を叫んでも仕方ない。
外部の驚異をかわしたり、機会を取り込んでこなかった自分に多くの問題はあるのだ。
問題の原点は自分の中にあり、その解き方も自分なりのものがある。
最後は自分自身が問題なのである。
見方を変えれば「正しい答え」を見つけるのではなく「自分らしい答え」を見つけるということだ。
昔から「失敗は成功のもと」とか「ピンチはチャンス」という言葉がある。
失敗やピンチを「機会」と捉えられるかどうかにかかっている。
危機と機会は表裏一体であり、それをどう活かすかの答えは、外部ではなく自分自身の中にあるということだ。
他人の真似はもう止めて、自分の強みを生かして、目的を達成しよう!