管理者(師長)になって、「自分が発する一言」に注意するようになった。
良くも悪くも、管理者の一言というのは、大きな影響力を持つ。
「たかが言葉」であるが、「されど言葉」なのだ。
病院にはたくさんの病棟があるが、「管理者(師長)の考え」や「発するワード」で病棟の雰囲気が変わる。
管理者(師長)がいつも「忙しい」「大変」「きつい」など、ネガティブな言葉を発している病棟は、モチベーションが低い。
先日、私の病棟の主任が「あの患者さんが大変」「若い子と組むのがきつい」と言っていた。
その気持はわかるし、共感もするが、個人的には主任からそのような言葉を聞きたくはない。
私は師長であるが、その前に人間である。
そのようなネガティブな言葉を聞いた時、自分の気持ちが曇ったのを感じた。
なるほど・・・
スタッフをこんな気持にさせてはいけない。
その言葉を耳にした人は、それをフォローしようとしてストレスを感じる。
仕事をやっていると、日々色んなことがある。
入院患者や家族からクレームが来るのは日常茶飯事であるし、ある患者さんの声で周囲の人が眠れなかった・・・という話も、いつも耳に飛び込んでくる。
「患者さんがタバコを持っているかもしれない」
「患者さんが○○が無くなったと言われています」
「退院した家族から電話があり、保険証を返してもらっていない」と言われました。
など・・・
常に予測していない情報が入ってくる。
そこで、病棟師長が「あ~大変」「もう!(プンプン!)」と感情的にネガティブに対応していたら、周囲はどんな気分になるだろうか?
よくよく考えてみると、私は以下のような言葉を発している。
「なるほど」
「そうきたか」
「色んなことがあって、面白いね」
「勉強になりますね」
「ん~。少し時間を置いてみますか」
どうだろう?
あくまでフラットな気持ちで、ゲームを楽しむように言葉を選ぶ。
スタッフから「師長さん、ポジティブですね」と言われる。
起こった出来事は同じでも、言葉1つで、全く違った雰囲気になるのだ。
管理者(師長)に限らず、周囲の人に発する言葉は選んだほうが良い。
自分が発した言葉は自分自身も聞いている。
言葉を選ぶ選択肢を私たちは持っている。
ポジティブを選ぶか、ネガティブを選ぶかは、あなた次第である。