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患者急変時の新人

新人看護師急変対応

病院で働いていると、『急変』というのは必ず起こる。

予想できる急変など無い。

予想できないから『急変』と私たちは感じる。

 

先日、私の部署でADLが自立していた80代の女性が『急変』した。

 

夕食を食べて、歯磨きを自分でやっていた姿まで確認できている。
18時50分頃、本人からナースコールが鳴り、看護師が部屋に行った。

 

すると、患者さんが「なんかキツイ・・・」と言ったそうだ。

 

その後、みるみるうちに意識が無くなり、呼びかけている途中で痙攣のようなぴくつきが見られた。

 

コードはフルコードの患者。
(※フルコードとは、急変時に全ての治療を行うという意味である)

 

モニターを装着するとPEA(無脈性電気活動)の波形。
いわゆるCPA(心肺機能停止)である。

 

すぐにCPR(心肺蘇生法)を開始して、院内コードブルーを発令。

病院内から手の空いたスタッフが集合して治療に入る。

 

部署では、たまたま残っていたベテラン看護師が中心となり蘇生処置に入った。

 

その頃、ロング日勤(19時までの勤務)だった新人は・・・

外から見ていたが、「中に入っても自分は役に立たない」と判断し、夜勤スタッフの変わりに他の患者さんのバイタルサインを測定したり、内服を配薬したりしていた。

 

通常なら帰っても良い時間帯であったが、自ら判断し、全体の流れを見て、自分のできることを行った。

 

 

私はこの話を聞いた時、ある一つの昔話が頭に浮かんだ。

 

 

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ある日、動物たちが住んでいた森で大きな火災が発生した。

動物たちは一斉に逃げた。

その中で1羽の『ハチドリ』が森に行ったり、
森の外に行ったりして、飛び回っていた。

 

逃げていたクマがそれを見てハチドリに話しかけた。

「君は何をやっているんだい?」

 

ハチドリは答えた。
「外から水を含んで森の火にかけているの」

 

クマは笑いながら言った。
「そんな事しても無駄だよ」
「意味がないよ」

 

ハチドリは答えた。
「そんなのわからないじゃない。私は私の出来ることをやるの」

 

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『自分の出来ることをやる』

この姿勢は見習いたい。

 

周囲が何と言おうと、自分で判断して自分から行動する姿勢は素晴らしい。

気がつけばもうすぐ4月。

普段の先輩たちの動きを見て、気づかないうちに成長しているのかもしれない。

 

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この記事を書いた人

【めで師長】
ある総合病院で看護師長をやっています。
看護師経験は20年以上で、精神科・ICU・内科病棟の経験があります。

Twitterで書ききれない内容をブログの中で好き勝手書いています。
このブログが誰かのお役に立てれば幸いです。

※ブログの更新は不定期です。

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