看護師の「休憩問題」は全国さまざまな場所で問題になっている。
私が新人の頃からこの類の話はしているので、少なくとも20年以上問題は解決されていない。
「忙しい」
「休憩が取れない」
は常態化されており、「60分休憩」なんてむしろ「ヒマな部署」と思われる。
私自身も昔から「10分~15分休憩」が普通であり、60分丸々休憩を取った記憶は無い。
30分~40分取れれば「たくさん休めた」と思う。
医療界の休憩は、基準がおかしい。
表向きは「60分休憩」とあるが、現実的に取れる環境では無い。
これは看護師だけでなく、医師も同じなのかもしれない。
きちんと休憩が取れる日は来るのか・・・
私が働いている時代には実現しそうにない。
院内で定められた「休憩時間」に検査や外来出しが呼ばれるのは当たり前。
患者さんも食後なので、トイレのナースコールが増える。
「看護師の休憩時間」を患者の食事時~食後に合わせているのが無理な話なのかもしれない・・・
検査や外来出しを「昼休みは中止」すれば良いかもしれないが、これをやると、17時までに終わらない。
そもそも「入り口(1日に病院を受診できる人数)」を制限していないので、常に遅れが出る。
「1日100人までしか診ません」という基準でもあれば良いのだろうが、そういう基準は無いので、日によってばらつきはあるし、マンパワー不足は常時発生する。
「予約制」になっていても、必ず「遅れ」が出る。
身体の事なので、「異常」が見つかれば「治療」が必要になる。
「異常がありますが、来週しか空きが無いので、来週来て下さい」では死人が出る。
「休憩時間なので、12時なったら診療は中止されます」では患者さんが困る。
こうして、外来の時間がどんどん押す。
何十年経っても昔とあまり変わっていない。
病院は本当に頑張っていると思うが、この部分の改善はすすまない。
現場は色々と複雑である。
話はずいぶん逸れたが、他の部署のウワサで「10分くらいしか休憩が取れない」「新人は昼食を摂っていない」というウワサが流れてきた。
これを聞いて「そんなの当たり前」と思った人は、脳内が侵されていると思った方が良い。
「うちの部署も同じだ・・・」と思った管理者は、見て見ぬふりをしている自分の行動を考え直した方が良い。
管理者だけが休憩を取れていないのならまだしも、スタッフ全員が取れていないのはおかしい。(管理者が休憩を取れていないのもおかしいのだが・・・)
その部署は「休憩が取れない」だけでなく、「時間外の申請ができない」らしい。
(所属長が申請を許可しないそうだ)
いわゆる「ブラック企業(病棟)」である。
管理者(師長)がサポートしていないので、サービス残業が常態化し、人が辞めていく、新しい人が入っても、サポート体制が整っていないので成長せず、辞めていく・・・という負のスパイラルに陥っているようだ。
管理者(師長)は答えの無い問題に対して取捨選択し、スタッフの能力を最大化できるようにすべきであろう。
無駄に圧をかけたり、感情を乱すような行動は足を引っ張るだけで無く、スタッフの思考を邪魔する。
これが常態化してしまうと、スタッフは考えるのを止める。
人間の脳はは「面倒なこと」をできるだけ最小限にするようインストールされている。
思考が止まれば、改善は無い。
「日々同じ行動」の方が頭を使わないので「ラク」だと思い込む。
目の前にある「業務」にひたすら向き合い、毎日「終わらない」日々を過ごすことになる。
私たちは人間である。
「希望」を失うと生きることが難しくなる。
副看護部長に廊下で会ったので「そろそろあの部署の師長は変えた方が良い」と報告した。
副看護部長にも情報は入っていたようだ。
人事担当がきちんと動けば良いのだが・・・
優秀なスタッフを逃がす前に、スタッフを守ろうとしない管理者(師長)を外すべきであろう。