当院では「新人看護師研修」や「2年目、3年目研修」というものがある。
新人研修では「輸液ポンプの使い方」「急変時の対応」「輸血」「麻薬」・・・など数ヶ月にわたり、日程を決めて行っている。
学生気分が抜けず「勉強会」気分で参加している新人看護師もよく目にするが、それでは困る。
研修の目的は「学ぶこと」ではない。
「学んだことを業務に活かすこと」である。
この意識を間違えている新人看護師は、研修で習ったことをすぐに忘れてしまい、臨床の看護に活かすことができない。
理解して知識を得るだけではダメなのだ。
時々、研修後にアンケートが行われ、その集計結果が師長会議などで発表されることがある。
研修の内容に対して「満足した」「不満足」というアンケート結果をグラフにして発表しているのを目にするが、ここにあまり意味はない。
企画側の自己満足である。
ほとんどの新人看護師が「良かった」と答える。
研修の受講経験が少ないので、良いも悪いもわからないのではないか・・・と私は思う。
ある程度理解できれば「良い」と答える。
本来なら、受講者の満足度をはかるのではなく、その受講者がその後シッカリと行動に移したかどうかを評価しなければならない。
研修の満足度が95%であっても、実践に移した人が10%ならその研修は『失敗』である。
研修を組み立てる側(講師サイド)もそれを理解していない人が多く、研修内容に満足して終わる。
そこまで求めるのは酷だと言う人もいるかもしれないが、社会に出て仕事をするということは、それくらいの意識で望むべきである。
研修時間も給料が発生している。
それを活かして患者ケアを高めれられるよう実践できなければならない。
私は研修後は必ず自部署で経験させるようセッティングする。
プリセプターに依頼して、研修後に1〜2回は経験を積ませる。
学ぶ事と実践することは全く違う。
学びは実践しないと意味がない。
一つで良いので研修を実践に繋げられるように取り組もう。