先日、部署内で『急変』のことを記事にした。
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ここでは「気の利いた新人」の話を書いたが、急変対応で課題が無かったわけではない。
急変が起こるたびに「訓練不足」を実感する。
今回の課題は「挿管介助」であった。
スタッフが挿管介助が適切にできなかったわけでは無かったが、時間を要した。
何でもそうだが、日頃から訓練をしていないと、いざという時に動けない。
スポーツの世界では練習で100%の力を出すように言われる。
練習で100%の力を出せない人が本番で100%の力を出せるわけがない。
本番というのは予想していない事が次々に起こるものだ。
早速『挿管介助』の訓練を部署内で始めることにした。
私がスタッフに課した目標は、「1分以内に準備できること」である。
期限は1週間。
迷わずに動けば1分以内は可能である。
急変の対応ができなかった時、他の部署では「急変対応の勉強会」をやろうとする。
私は、急変対応全体の勉強会は効率が悪いと考えている。
課題は小さく分けたほうが良い。
- 発見時のアセスメントが悪かったのか(コードブルー発令が遅れた)
- 記録が書けなかったのか
- BLSができなかったのか
- バックバルブマスクでの換気の技術が悪かったのか
- 挿管介助ができなかったのか
- アルゴリズムが理解できていなかったのか
など、急変時には必ず課題があるはずである。
一気にやろうとすると何も残らないし、ざっとした勉強会で終わってしまう。
そもそも、講義を聞くだけでは頭に残らない。
課題を明確にし、基準を設けて訓練する。
要するに『照準を絞る』という事である。
私の部署の今回の課題は『挿管介助』と考えて、訓練を課した。
勉強会は行わない。
物品を触りながら、ディスカッションを行い、練習をする。
「1分以内」という制限を設ければ、ゲーム性も出てくる。
物品を置いておけば、スタッフは自由に触り、練習する。
学びは一つずつやる方が良い。
1分以内にできるようになれば、スタッフに『自信』がつく。
『自信』が付けば、他人に教えようとする。
こうして少しずつ広がっていく。
まずは一つだけに絞ってやってみよう。
質の向上を感じるはずである。