部署では様々な「問題」がある。
私たち人間はその「原因」を考えようとする。
もちろん、大切なことであるが、原因がわかったところで問題は解決できない。
先日も記事にしたが、私は管理職(師長)になったばかりの頃、ビジネス書を多く読み、部署の問題を解決しようと努力した。
その努力は無駄ではなかったが、直接問題を解決できたものは無い。
知識を増やしても、分析力を高めても、問題は解決できない。
「正しい答え」がわかってもダメなのだ。
問題を特定するにはAI(人工知能)にでもできるのかもしれないが、その先は「心理学」の問題である。
真理よりも心理
である。
基本的に人間は変化を嫌う。
リチャード・セイラーという人が「現状維持バイアス」と説いている。
つまり、「今のままのほうが良い」という『思い込み』である。
問題の原因がわかったとしても、その先には別のストーリーが必要というわけだ。
「分析の結果、これが問題だと答えが出ました」と説明しても良くならない。
必ず一定の人が『変えようとしない』。
管理者に求められるのは「私を信じてやってみて!」の世界を作ることだ。
みんなの気持ちを1つにできなければ解決できないのだ。
まず初めにすることは、スタッフからの信頼を得ること。
「この人は信頼できる」と思われないと誰も話を聞いてくれない。
当たり前のようであるが、意外と難しいし、時間がかかる。
そして、「できる」と希望を持たせなければならない。
どんなに正しい答えでも、スタッフが「できない」と思ったらそこで終わりである。
遠回りしても、スタッフが「これならできるかも」と思ってもらえば次に進める。
常に「感情」がそこにある事を忘れてはいけない。
私たちはロボットではない。
ホモ・サピエンスという『感情』の動物である。
それが理解できない限り、絶対に組織を変えることはできない。
さあ、今日もスタッフの信頼を一つ積み上げに行こう☆