有給(年休)は労働者の『権利』である。
この事を『勘違い』している管理者が多い。
「有給を○○さんにあげた」
などと発言している時点で、「知識がない人」か「勘違いさん」である。
あなたの周囲に言っている人はいないだろうか?
有給は「スタッフ個人のもの」なのに「あげる」という表現はおかしい。
普段から『簡易的に』使用しているなら、その使い方は即刻止めた方が良い。
周囲から「この人わかっていない」と思われるのがオチだ。
繰り返し言うが、有給はスタッフの『権利』である。
しかし、それが認められない「空気」が職場にはある。
「医療関連は命を預かる場所」として「患者の命を守る」「高い医療サービスを提供する」という使命がある。
慢性的な人手不足で、スタッフに休んでもらうと、患者サービスの質が落ちる。
しかし、スタッフに有給は与えないといけない・・・・
というジレンマに陥るのも事実。
そんな中、管理者の心の中に、「スタッフに休まれては困る」という気持ちが働き、有給を取らせないように「圧」をかけるという行動に出る。
それが変な「空気」を作り、組織の中で「管理者のもの」という間違った解釈をされる。
頭では分かっていても、どこか「管理者のコントロール下」になってしまうのだ。
「圧」をかけて行動を抑制しようとする事は、あくまで『一時的な』効果しか出ない。
歴史を見ても、「圧」で人々をコントロールした例はあるが、全て消滅している。
ナチスドイツのヒトラーの話などは有名である。
つまり、「圧」をかけるやり方は「お手軽」だが「賢明」ではない。
『絶対にうまくいかない方法』と思っておいた方が良い。
短期的に上手くいっているように見えることもあるが、最終的にはどこかで尻拭いをさせられる羽目になる。
でだ。
普段から準備をしておかなければならない。
こういう事を書くと、「人が足りないからマンパワーを増やす」という発想に偏りがちであるが、答えは違う。
残念ながら「マンパワー」を増やしても「一時的」でしかない。
そもそも、「マンパワー」は増えないとみんな知っているはずである。
今いるメンバーで「やり方」を変え、「成長する」しかない。
チームビルディングという考え方だ。
先日、プレイイングマネジャーの話を書いたが、プレイングしていてはこのような全体的な部分は見えにくい。
全体を見て、「どこかカイゼンできないか」「どうすれば人が育つか」「チームワークを良くする土壌を作るにはどうしたら良いか」と常に考える必要がある。
加えて言うなら、管理者には「余裕」がなければならない。
バタバタしているとスタッフが気を遣う。
「師長さんが忙しそうだから声がかけにくい」という声が上がったら気をつけた方が良い。
スタッフが来た時はいつでも「はいどうぞ」と門戸を開けておく。
この機会を逃すと、スタッフは「もう一度」師長の所に行って声をかけなければならない。
結果的にスタッフを患者のそばから「離す」のだ。
スタッフを患者のそばから離して、仕事の足を引っ張っているのは、「師長」である事も知っておくべきである。
もし、すぐに対応できないなら、その用事が終わったら「師長自ら」行くべきである。
時々業務に紛れ込み、「仕事の質」を評価する。
「スタッフができていない」と個人を指導してはいけない。
全体の問題として解決を目指す。
一つ一つは時間がかかるかもしれないが、その後の効果は計り知れない。
長期的にはどんどん楽になっていく。
総じて見ていけば、管理者が良ければ病棟も良い。
管理者が悪ければ病棟も悪い。
日常の「細かい部分」が大きな結果を生んでいるのだ。
「忙しい」が口癖になっている時は気をつけた方が良い。
「忙しいですか?」と聞かれたら、「まさか。暇していた所ですよ」と言い返したい。