優先順位を考えて行動する
新人看護師が4月から入職してきた。
この時期は「優先順位を考えて行動する」という話が毎年出てくる。
カッコいい言い方をすれば「プライオリティ」
看護部の教育係やプリセプターも良く「優先順位を考えて」と口で言っている。
皆さんは、新人看護師の優先順位をどのように考えるだろうか?
優先順位は難しい
看護師にとっての「優先順位」とはなんだろうか?
「患者の命に直結する事」=これは緊急性が高い
「患者のクレームに発展しそうなこと」=これも緊急性が高い
これらの「緊急度の高いもの」は、とてもわかり易い。
では、業務の優先順位はどうだろうか?
- 点滴の入れ替え
- 記録
- おむつ交換
- 検査出し
- 外来だし
- 片付け
- 処置の準備
- 医師の指示受け
- 注射の作成
さて、どれから取り掛かる?
優先順位を付けるのは難しい作業である
私は、新人が優先順位を付けるのはハードルが高い作業であると考えている。
特に、入職してきた今の時期に「優先順位を考えて」と言ってもできるはずがない。
経験も少なく、所要時間も知らない人間が、業務の優先順位などわかるはずがない。
それでも、先輩から「優先順位を考えて行動して」と言われる。
それができれば苦労しない。
私は新人に「優先順位を考えることに頭を使わなくて良い」と言っている。
優先順位を「考える時間」があれば、行動した方が良い。
ただし、一つだけお願いしていることがある。
優先順位を考えない変わりに行うこと
優先順位を考えない変わりに、「作業時間の予測」をするように教えている。
そして、それをメモするように伝えている。
実はこれ、昔からピーター・ドラッカーが言っている「測定」である。
自分がその作業にどのくらい時間を必要としているかを知るために、記録する・・・ということである。
はじめは、何分かかるか分からないかもしれないが、「目標時間」を決めるのだ。
- 記録(15分)
- おむつ交換(10分)
- 検査出し(15分)
- 外来だし(15分)
- 片付け(7分)
- 処置の準備(5分)
- 医師の指示受け(3分)
- 注射の作成(5分)
という風に、予測時間を決める。
大幅に遅れそうなら、ヘルプを出す。
要は、「時間」を意識しないと、いくら時間があっても終わらないという事だ。
コレを一覧にしておけば、「よし、5分ある、注射を今のうちに作ろう」
「3分だけ、医師の指示を受けておこう」となる。
突然の電話でも「3分後にかけ直します」と言える。
できるかどうかわからないが、まずは「決める」ことである
実はコレ、レポートを書く際にも使える。
私は良くスタッフに「レポート時間はどれくらいかけて書く?」と尋ねる。
先日聞いた新人は「30分で書きます」と答えた。
ここでは、こちらが「30分で書いてほしい」とか「1時間で書いて」と言ってはいけない。
まして、「そんな時間でできるわけがない」などと言ってはいけない。
自分で「●●分」と決めて取り掛かることが大事であり、
ほぼ「それ以上の時間を要する」ということを体感してもらう必要がある。
この経験は成長のスピードを大幅に上げる。
時間を意識して生きている人と、意識しないで生きている人は、スタート地点で差がついている。
新人教育や、スタッフ教育に携わる人は、ぜひ意識してもらいたい。
ちなみに、私は、今書いているこの記事を「20分で仕上げる」と考えて書きはじめた。
もう27分経過している(汗)
時間が過ぎたので、そろそろここで終わろうと思う。