『QCD』という言葉を知っているだろうか?
Q:Quality(品質)
C:Cost(コスト)
D:Delivery(配達・配信)
の略である。
製造業では、常にこの「QCD」を頭においておく必要があるそうだ。
生産性に直結し、それが売り上げを左右するからである。
「売り上げ」と聞くと、主に「コスト」が頭に浮かぶ人も多いかもしれない。
コストが上がれば売り上げは下がる。
コストが下がれば売り上げが上がる。
は想像にたやすい。
しかし、それだけでは生産性は上がらない。
生産性の主要な判断軸は「QCD」と言われている。
コストだけでなく、「品質」や「手間」は生産性に直結する。
医療や看護とは全く関係のなさそうな「製造業」の考え方であるが、参考になる事もある。
物品の消費、人件費、物の管理はすべてコストになる。
「無駄遣い」や「物を無くす」などのトラブルが少なければ収益に直結する。
人も組織にとっては「資源」である。
人を大切に育てずに、手荒に扱うと、人は離れる。
もしくは、休みがちになる。
休みがちになれば、現場のマンパワーは落ちる。
マンパワーが落ちれば、残された人の負担が増える・・・
一人の負担が増えれば、患者一人一人にかけられる時間が減る。
気持ちに余裕が無くなり、患者の要望に応えられなくなる。
患者からクレームがくるかもしれない。
一生懸命仕事をやっているのに、クレームを言われる。
クレームにも時間を必要とする。
嫌な気分になり、仕事に行きたくなくなる・・・
このように負のスパイラルに陥ることになる。
Quality(品質)がドンドン落ちてしまう。
物品の『配置』もバカにしてはいけない。
Delivery(配達)に遅れが出ると、患者サービスの質に影響する。
「いつまで待たせるのか!」とクレームに発展すれば、また時間を取られる。
これもサービスのQuality(品質)に直結する。
医療の世界で「生産性」と言うとイメージがわきにくいが、QCDが整ってからこそ収益につながる。
毎日の仕事の中で、小さな行動一つ一つが収益につながっているのだ。
「私一人くらい」
「この物品1つくらい」
という意識は、気がつけば大きな負債になる。
ひいては自分たちの「給与」にも響くことになる。
「私一人くらい」をバカにしてはいけない。
「私一人が頑張ってもダメ」ではない。
「私一人」が頑張ることで、周囲がそれに引っ張られる。
それが大きな力になることだってある。
逆に、「私一人」がサボってしまうと、周囲がそれに引っ張られるかも知れない。
どちらが良い?
せっかくなら、「私一人」でも頑張ってみようではないか。