孫子の兵法の中に
利に雑(まじ)うれば、故(すなわ)ち務(つと)め
信(まこと)なる可(べ)し
という言葉がある。
「利益には必ず害悪の一面があるとわかっていれば、その事業は必ず成功する」
という意味である。
物事には必ず「利益」と「害悪」の両面がある。
利益だけに目を奪われていれば、いつか必ず失敗をする。
逆に害悪ばかりを気にしていると、何一つ進捗しない。
先日、副看護部長からスタッフの「異動」について言われた。
定期的に「異動」があるのは良いことである。
しかし、最近は今の部署から他の部署に出たがらないスタッフが増えており、「異動になるなら辞めます」という人も出ている。
同じ部署に長くいることは弊害もある。
スタッフへ異動を伝えるときは、「メリット」を多く話す。
「環境が変わるので大変だと思う」「突然で驚いたと思う」と共感を示しながらも、必ず「メリット」を強調する。
新しい部署で身につけられる事
今の部署にはない魅力
あまり噂の良くない部署に行く場合は、「あなたのような、優秀な人が行くことで変わると期待している」と話す。
行ってみないとわからない事はたくさんある。
「合う」とか「合わない」は行ってみないとわからない。
冒頭に孫子の言葉を載せたが、戦略家は「どこに目を向けさせるか」が上手い。
人間はどんなに教養や経験を積もうとも、それに比例して思慮深くなるとは限らない。
むしろ過信に走る者の方が多い。
それを理解していれば、それを利用すれば良い。
逆に言えば、聞き心地の良い言葉を並べ立てられた時は警戒心を募らせておく必要がある。
良い話には必ず裏がある。
部長から良い話を持ちかけられたら、警戒しておいたほうが良い。