なかなか減らないセクハラ患者
病院で働いていると、定期的に「セクハラ患者」が出没する。
当院では、セクハラの言動があった場合、基本的に『強制退院』になる。
『命の重さ』と『安易な言動』が天秤にかけられ、「セクハラをするが、入院しておかないと死ぬかもしれない」というケースが非常に困る。
また、ADLに介助を必要とする患者の場合、すぐに退院させられないケースもある。
被害者はほとんどは「女性看護師」である。
個人的には、『強制退院』で良いと思うが、退院が命に関わるような場合、1日1万円程度の「特別手当て」を徴収しても良いのではないかと思う。
もしくは、退院後に警察行き。
このセクハラ行為に関しては、毎度毎度、やる気を削がれる。
スタッフが受けたセクハラ
先日、スタッフから突然相談があった。
2週間ほど前に、Aさん(患者さん)から「カーテンを閉めて服を脱いで」と言われた。
「おっぱいを触らせるくらいよかろう」
「いい年して、そんな行為(性行為)してないやろ?」
という発言を浴びせられたそうだ。
言われた看護師は50代の独身看護師であった。
彼女はベテランであり、「何言っているんですかー」とその場をしのいだそうだが、
「私は結婚もしてないし、自分が情けなかった」とメンタル的に傷ついていた。
普段コミュニケーションが取れていると信頼していた患者だったので、あまりにショックで、記録にも書かず(書けず)報告もできなかったそうだ。
私は非常に腹立たしかったが、報告をしてきたことに感謝した。
自分たちの価値を高める
当院は急性期病院で、地域の中では一番大きな病院である。
地域では「○○病院なら安心」と、ある意味大病院としての「ブランド力」がある。
そこで働いている看護師は、世間の一部の人からは「あこがれ」もあるようだ。
病院の中で働いていると、気づかないが、一歩外に出たら、「○○病院の看護師さんですか〜すごいですね」と言われる。
私はスタッフを集めて、「○○病院の看護師としてのプライドを認識して欲しい」と話した。
- この病院は誰でも働ける病院ではない。
- 中にいるとわからないかもしれないが、一部の人からは憧れの病院である。
- 周辺病院と比較しても、圧倒的に教育や給与面で良い。
- きちんと責任を持って、真面目で向上心を持っているからここで働けているのだ
- ベテランは今までの経験に自信を持って欲しいし、若い人は自分のポテンシャルに期待して欲しい
というような内容を話した。
セクハラを受けたAさんは「師長の話を聞いてハッと目が覚めました」と言ってきた。
言葉で傷つくのは、自分がそれを認めてしまった時である。
誰かに「バカ」と言われても、自分がバカだと認めなければ、傷つかない。
「そう思われるんですね・・・」と軽くあしらっておけば良い。
セクハラ患者にはそれ相応の対応を行い、きちんと記録を残すようにしたが、
看護師は自分を安く見積もらないでもらいたい。
私たちはもっと価値ある存在である。
自分にプライドを持って進んでいこう。