スタッフの体調不良が発生した時、皆さんの部所ではどのように勤務調整されているだろうか?
私は「人の調整」は管理者の仕事だと思っている。
体調不良のスタッフから報告を受けた時点から、『管理者のタスク』になる。
『人・物・金の管理』は管理者の仕事である。
驚いたことに、管理者(師長)がこの仕事を放棄しているケースがあるらしい。
つまり、体調不良のスタッフから報告があった時、「自分で交代できる人を探して」と指示する管理者(師長)がいるそうだ。
「スタッフの体調が悪い」とわかっているのに、この業務を押し付ける感覚は、私には理解できない。
『スタッフを護る(護りたい)』という気持ちがあれば、多少面倒でも「何とかしてあげよう」と思いそうなものだが・・・
一定数、そのような管理者(師長)が存在するのは残念でならない。
昔から「ピンチはチャンス」という言葉がある。
マイナス要因を無理やり『プラス思考』に変換している感じはあるが、好きな言葉である。
今回のような事例(スタッフが突然体調不良で、勤務交代者を探さなければならないケース)は、まさに「ピンチはチャンス」であろう。
管理者(師長)としての力量をアピールできる最高の舞台である。
ここで、管理者(師長)が一生懸命、一人のスタッフのために勤務調整をやることで、スタッフの中には「何かあったときに守ってもらえる」という認識が芽生える。
「あなたが自分で調整して」と言う師長と、「わかった、とりあえずシッカリ休んで。あとの調整は私が何とかする」と言ってくれる師長はどちらの師長の元で働きたいと思うだろうか?
考える必要もなく、後者であろう。
目の前の事象に対し、一時的な感情で動く人間と、長い目で深く考えられる人間の違いである。
私の愛読書である「7つの習慣」には『信用残高』という言葉がある。
普段の何気ない言葉や行動で、周囲の人は「この人を信用できるか否か」を判断する。
これは貯金のようなものであり、残高がゼロになれば関わりを避ける。
信用残高の高い人には多くの人が集まり、お互いを助け合う。
「自分のことは自分が一番知っている」という人もいるが、勘違いである。
周囲の人達の方が、あなたがどんな人間なのか、あなた以上に知っている。
日々の何気ない言動で、常に判断されているのだ。
特に管理者は意識しておいたほうが良い。
朝の何気ない「おはようございます」の挨拶から、業務終わりの「お疲れ様、気をつけて」という言葉まで、全てにおいて見られている。
笑顔とハキハキした元気のよい声、相手の目を見て話を聞く姿勢など、一挙一動を大事にすべきであろう。
管理者(師長)の評価は、生産性に直結する。
最終的に自分自身に返ってくる。
気をつけて過ごすようにしよう。