近年は「定時に帰る」というのが良しとされている。
世間では「働き方改革」という名目で、残業時間の削減や休日の確保に力を入れられるようになってきた。
大変素晴らしいことである。
しかしこれは、ある意味「機会損失」にも繋がっているという点も知っておかなければならない。
昔から『若い頃の苦労は勝手でもしろ』と言われてきた。
「古い考え方だ」と揶揄されるかもしれないが、私はこの考え方は好きだ。
何かを身につけるにはある程度の「時間」が必要である。
定着させるには時間がかかるのだ。
ただ、ポイントは『本人が自主的にやる』ことである。
「勉強したいから、残ってでも経験します」という気持ちがあるかどうかである。
決して周囲が「やるよね?」と言って圧をかけるのは良くない。
本人のやる気が無いのに、押し付けるのはお互いに無駄である。
やる気のない時期は何もさせないほうが良い。
現場ではなかなか難しい問題かもしれないが、私は若い頃に色々な経験をすべきだと思う。
その日でないと経験できない事もある。
「新人を残すな」と上司から言われることもあるが、
「いつか経験するだろう」と思っていてはいつまで経っても経験できない。
さらに、年月が経てば経つほど「恥ずかしさ」が伴ってくる。
つまり、「経験が長いのに、こんなことも知らないんだ・・・と思われたくない」という防衛反応が働く。
これは誰しもある。
『聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥』という言葉を聞いたことがあると思うが、昔の格言というのは真理を説いている。
結局自分に返ってくるようになっているということだ。
私は最近、身体の勉強を始めることにした。
師長になってマネジメントの勉強を数年やってきた。
多くの理論を学び、ある程度「集団を動かす方法」も感覚的にわかってきた。
集団を上手く導く方法はある。
マネジメントは身体や感覚で覚える。
ただ、身体の学習は時間をかけて覚えないといけない。
継続的にやっていないとすぐに忘れる。
社会人の勉強の良い点は、「すぐに実践に生きる」という点である。
やればやるほど自分の成長を感じる。
知識やスキルを身につけるには時間がかかる。
『いつかやろうは馬鹿野郎』である。