新人看護師を教育していると、思うように成長してくれない。
子育ても同じである。
こちら(指導側)の思い通りに行くことなんて絶対にない。
「上手くいかない」のは当たり前で、イライラしているのは指導者側の問題である。
しかし、やはり何とか上手く成長してもらいたい・・・と思う。
このブログでも何度となく書いているが、「考えを引き出す」という教育方法が最近では主流になってきている。
子供が朝起きれない・・・という現象があったとき、親は「もっと早く起きなさい」「いつまで寝ているの!?」「なぜもっと早く起きてこないの?」と責めたところで上手くいかない。
子供が早く起きれないとき・・・「なぜ早く起きれなかったのかな?」と子供に理由を尋ねる。
「前日の夜遅くまでゲームしていて寝るのが遅くなった」という理由があるかもしれない。
「途中で辞めれなかった?」「どうしたら寝る時間に辞められるかな?」という『問い』を重ねていく。
問題が解決できるように、何をやれば良いのか、子ども自身から解決方法を引き出すのだ。
新人看護師も同じである。
「なぜ同じような失敗をしたのか」
「どうすれば、次に同じ失敗をしないと思うか?」
など、自分で解決方法を考えてもらう。
指導者が「こうやりなさい」「こうやらないと駄目」という風な指導をしてしまうと、失敗したときに「指導者のせい」にする。
「先輩からこうやって教わったから、失敗しました」という具合である。
口では言わないかもしれないが、心の中で「人のせい」にする。
これでは成長しない。
また、日本人は「反省」が好きだが、強いられた反省は自分を責めることを覚えさせる。
最後には劣等感を植え付けて、自分自身に自信がなくなる。
結局、「周囲の評価」ばかり気にして生きることになる。
自分自身のモノサシを持てず、周囲の意見ばかり気にして生きることになる。
これでは社会のさまざまな問題は解決できない。
私たちが生きている世界は何が起こるかわからない世の中である。
正解のない世界でトライアンドエラーを繰り返して正解を見つけていかなければならない。
前置きが長くなったが、ひたすら質問を繰り返す手法を『ソクラテス式問答法』というらしい。
質問を繰り返し、小さな自己決定を繰り返すことで、自己肯定感を高める事ができるそうだ。
つまり、自分で決めたことを、自分で実行し、結果を出すということだ。
管理者はその「プロセス」をほめると良い。
「工夫して取り組んでいたもんね」
「すぐに動くように変わったね!」など、「結果」ではなく「プロセス」を誉める。
一気にやろうとしても変わらないかもしれないが、日常的に意識しておくと良い。
それぞれが自分の頭で考え、行動し、結果を出せるようになったら、素早く問題解決ができるようになる。
管理者が語る「武勇伝」以上の価値があることは言うまでもない。