マルチタスクが必要な看護師業務
看護師の業務は「マルチタスク」が基本である。
実はこれ、非常に効率が悪い。
- 患者さんの点滴を作成し
- 医師の指示を受け
- 電話を受け
- 検査に行くための準備をしながら同意書を確認
- 検査前に患者さんをトイレへ誘導し検査室まで誘導する
- その間に新たな指示が出ている
もう「気が狂いそうになる」くらいに忙しい時がある。
これに加え、イレギュラーな家族の面会。
「面会は午後2時からです」と説明していても、午前中に来られる。
病院の都合なんて聞くつもりが無い人も一定数いる。
コロナで面会制限があるのに、ズカズカと病室に入ってくる家族。
病棟を抜け出し、他の場所で勝手に面会する患者。
とにかく「色んな事」がある。
目まぐるしく業務を切り替えながら行っている。
なので、「マルチタスク」ができない人は業務をこなすのが難しい。
(これで、新人が潰れていく病院も多いだろう)
一つ一つ仕事を行う環境があれば良いのだが、そうもいかない現状がある。
マルチタスクは効率が悪い?
看護師にとっては現実的ではないかもしれないが、「マルチタスクは効率が落ちる」そうだ。
今、「Slack~ゆとりの法則」というトム・デマルコの本を読んでいるが、この本の中でもタスクの切り替えのロスについて述べられてある。
知識労働者において、複数の仕事を切り替えることによるロスは15%を下らないという。
切り替えの多い業務の場合、8時間労働のうち、1.2時間以上は「何も産まない時間」を使っているそうだ。
仕事を細分化すればするほどロスが増える。
昔読んだ本の中で、P.ドラッカーも同じようなことを言っていた。
まとまった時間がないと何もできない
看護師が「常に」忙しいのは、タスクの切り替えが多いことによるものではないかと思う。
「中断」「中断」「中断」を繰り返しながら業務を行う環境のため、常に『切り替えロス』が発生しており、時間が不足してしまっているのではないだろうか。
「現場の看護師の業務を中断させない仕組みづくり」ができれば、余裕が生まれるのかもしれない。
非現実的な話に聞こえるかもしれないが、業務改善をする上で何かのヒントになるなら幸いである。