医療関係者は、いわゆる「真面目な人」が多いと思う。
もちろん、中には不真面目で常識のない人もいるかもしれないが、
基本的に「マジメな集団」だと思っている。
『真面目』とか『不真面目』という言い方は
ちょっと定義が曖昧かもしれないが・・・
ルールを守り、責任を持って自分の仕事を全うしようとする。
加えて言うなら、「自己犠牲」を払う人も多い。
これにより、断ることができずにストレスを抱える人も後をたたない。
私は20年間 医療の世界で働いている。
その中で、「ストレスを抱えやすい人」と
「ストレスを抱えにくい人」が何となく分かるようになってきた。
ストレスを抱えやすい人は、基本的に「自分でなんとかしようとする人」だと思う。
「私がやらなきゃ」と責任感の強いタイプ。
それなりに能力が高く、経験があれば乗り切れるのだが、
能力の低い時期(経験の浅い若い時期)にこれをやると、仕事が嫌になる。
逆に、ストレスを抱えにくい人は、「みんなで何とかしよう」とする。
「私一人じゃない」という意識が強いタイプ。
仕事を分担し、「私はこれをやるから、こっちをお願いしていい?」という風に「周囲の人に振り分ける力」がある。
本人のキャラクターもあるので、明日から変わろうとしても難しい面もあると思うが、
「1人で何とかする」ことより「みんなで何とかする」方が絶対に上手くいく。
ただこの場合、業務分担をきちんとやってないと、ダブって仕事をやってしまうので効率が落ちる。
みんなが声を出しあう事が大事である。
先日、16:30に緊急入院があった。
日勤業務の終わる寸前の入院はドンヨリするものである。
しかし、この日は素晴らしいチームワークを見せた。
リーダー看護師が、「私、入院時の記録するね」と言い。
他のナースたちが、
「私、入力系(褥瘡や栄養、転倒転落評価など)します」
「私、家族説明します」
「じゃあ、私は医師の指示を受けますね」
とそれぞれ役割分担を始め、30分で入院処理を終わらせ、17:10には帰っていた。
これが1人で入院受けするとなると、途中で中断され1時間以上かかることもある。
役割を手早く振り分けて行けば、かなり早く終わらせられる。
30分前までドンヨリした空気が、30分後には晴れ晴れした空気に変わっていた。
何でもそうだが、仕事は1人で抱えるものではない。
「私一人じゃ難しいから、みんなでやろう」という姿勢(弱さを見せる)も大事なのだ。
管理者(師長)は孤独な仕事であるが、たまにはスタッフに
「ちょっと悩んでいるんだけど・・・」と相談してみてはどうだろう。
1人で考えるより、きっと良い答えが見つかるはずである。