「勉強する本を1冊選ぶとしたら?」という質問があった。
時間が無い人のために、先に結論を書いておく。
『エキスパートナースの知恵袋』を繰り返し読むことをオススメする。

看護師は一生勉強と隣合わせの職業
どんな職業でも同じかもしれないが、特に医師や看護師は一生『勉強と隣合わせの職業』である。
医療体系は変わり、ガイドラインは変わり、新しい薬や機械は年に数回入ってくる。
人の命を預かる職業であるため、「知らなかった」「聞いてない」が通用しない。
社会に出ると誰でも、「知らないなら、自分から聞きなさい。」「自分で調べなさい。」となる。
当たり前といえば当たり前なのだが、義務教育から看護学校まで、そのように訓練されて教育されてきていないので、そのギャップに気持が追いつかない。
私たちは勉強を「させられて」きたのだ。
自主的に勉強をやってきた人はほんの一握り。
「わからない事は調べなさい」と言われても、わからないことが何なのかわからない・・・という事態に陥る。
誰しも一度は通る道であるし、そこが「分かれ道」だと思う。
防衛反応が働いて、「言いわけ」をしたくなる気持ちも分かるが、次に同じような事が起きないように変化しなければならない。
どちらに転んでも(言い訳するタイプと自主的に調べるタイプ)、数年すればそれが本人の「当たり前」になる。
勉強は大雑把にせよ
学生の時と違って、大幅に失われるのが「勉強時間」
仕事が終わって、家に帰って勉強しようとしても「体力」が追いつかない。
私たちはロボットではないので、疲れる。
疲れた状態で分厚い本を開いても、全く頭に入らない。
勉強は気合でできるものではない。
気合も必要であるが、それだけでは上手くいかない。
全体を俯瞰する内容を、浅く簡単に『繰り返す』必要がある。
様々な研究結果から、頭に知識を定着させるには、この「繰り返し」が大事である。
「繰り返しやらなければ、勉強ではない」と最近は思う。
後悔しない一冊
一年目の看護師が「病気が見える」シリーズの本を買いたくなる気持ちは分かるが、おすすめしない。
あのページをじっくり読もうとすると、仕事をしながらやっていると、1冊で半年以上かかるだろう。
結局使われずに、情報が古くなる。
高いお金を出して効率の悪い勉強はしないほうが良い。
本は分厚くなればなるほど頭に定着しない。
辞書的に調べるだけ・・・になる。
結局今はインターネットで調べてしまうから、分厚い本は使われない。
知識を定着させる勉強をやる方法は2つ。
①テスト問題を解く(頭で考える)
②繰り返し読む(海馬に何度も刺激を与える)
である。
以前から何度もオススメしているが、本を買うなら『エキスパートナースの知恵袋』が良い。
軽い・薄い・安いを網羅しており、どの現場でも必要な知識が一冊にまとめられている。
もちろん、1冊ですべて・・・というわけには行かないが、頭に定着させる上でとても良い作りになっている。
辛辣(しんらつ)な先輩の意地悪質問は、私たちの脳を刺激する。
嫌な人に負けないようシッカリと頭に知識を叩き込んでおけば、何も怖くない。
