「管理者(師長)が変われば、その部署が変わる。」
そういう言葉をしばしば耳にする。
良い方向に変われば良いが、悪い方向に変わる場合もある。
良くも悪くも、少なからず「影響」を及ぼしているのは師長である。
師長は自部署を「良くしたい」と考えているはずである。
ここの「良い」の定義は様々であるが、「悪くしよう」と考えている師長はいないと思う。
「私が来て良くなった」と思われたいので、まずは、前任の師長より良くしようと思っているハズである。
さて。
病棟(部署)というのは「集団」で構成される。
いわゆる「チーム」で働いている。
「THE CURTURE CODE~最強チームを作る方法」という本を読んだことがあるだろうか?
実は、良いチームの作り方はある程度「明らかに」なっている。
知らない師長はそれだけで損をしている。
自己流でやっても上手くいく可能性は限りなく低い。
ややもすれば、単なる「自己満足」で終わってしまう。
「THE CURTURE CODE~最強チームを作る方法」に書いている内容は、『心理的安全性』である。
3つの「帰属シグナル」という用語で表現されている。
1.エネルギー(メンバーとの交流)
アイコンタクトがさかん
会話が双方向
雑談が多い
物理的な距離が近い
2.個別化(メンバーを独自の存在として認め尊重している)
個別性を認める
化学反応を期待する(人と人との接触で力を発揮する)
3.未来志向(この関係はこの先も続くというシグナルを出している)
先の世界を一緒に考える
(「来年はさぁ~」「あなたが5年目になったらさぁ~」とか)
つまり、
「あなたを見ていますよ」
「あなたは必要な人ですよ」
「あなたがいてくれて嬉しい」
という情報を発信続けている組織だ。
それに加えて、「弱さを見せる」という事も大事になる。
常に師長(管理者)はどんどん「弱さ」を見せるべきである。
「私が偉い」という空気感を出してはダメだ。
弱さを見せるのは筋トレと同じである。
時間がかかり、繰り返しが必要で、痛みが伴う。
しかし、『弱さ』×『協力』=信頼関係
とされており、弱さ→協力 の繰り返しが信頼関係を生んでいくのである。
最後は「共通の目的」
価値の優先順位(何を大事にするか)
簡単な標語(社是でも良い)
日常的な刷り込み(朝礼での復唱)
が、「目的意識の高い環境」の土台づくりになる。
私たちは一人では仕事はできない。
管理者がする事は簡単。
人を自分の思い通りに「管理」しようとしない。
その人の「個」を認める。
そして、「弱み」を見せて、スタッフに「協力」してもらう。
スタッフを怒鳴り散らしたり、責めるような発言をしてはいけない。
その「信頼」を取り戻すのに時間を費やすだけである。
師長は「弱みを見せる勇気」を持つことである。