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「変わりない」「著変なし」って何ナノ?

「○○さん、変わりありません」

看護師がよく使う文言に「変わりない」「著変なし」という言葉がある。

 

個人的にこの言葉は嫌いである。

 

「変わりない」は「良くなっているのか」「悪くなっているのか」が分からない。

 

「著変なし」についていは「著変(ちょへん)」という言葉は辞書に無い。

新人の時から良く耳にしていたが、そもそも、この言葉は何なのだろうか?

 

辞書で調べてみたが、

***********************
ちょ【著】
[名]
書物を書きあらわすこと。また、その書物。
「有名作家の著」
***********************
ちょめい【著名】
[名・形動]
世間によく名前が知られていること。
「著名な作曲家」
***********************

と書かれており、語源がよく分からない。

 

「大きな変化はない」と言いたいのだろうが、言葉を正しく使えない人に見えるので、即刻止めて頂きたい。

 

 

患者の状態が悪いまま「変わりない」なら何か手を打たないといけない。

良くなっていきながら「変わりない」なら、経過を見るか、退院を進める。

 

経過が良いなら、「経過は安定している」と言うべきである。

救急は「Stable」「Unstable」という表現をする事が多い。
安定しているのか、不安定なのかを述べる。

 

一日を通して、大きな問題(イベント)が起きなかった時は「変わりなかった」という表現を使う事があるが、患者の状態に「変わりない」はどちらかわからない。

 

スタッフが「変わりない」という言葉を使っているときは、「良くなっていますか?悪くなっていますか?」と返すようにしている。

 

病院で働いている以上、常に「変化」はある。

 

その「変化」に敏感になっておくべきである。
「変わりない」は人によって「さじかげん」が違う。

 

どちらのベクトルに動いているのか、常に観察しておく必要がある。
管理者たるもの「変化なし」に安心してはいけない。

 

ボイルド・フロッグ(ゆでガエル)症候群は取り返しがつかなくなる。

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この記事を書いた人

【めで師長】
ある総合病院で看護師長をやっています。
看護師経験は20年以上で、精神科・ICU・内科病棟の経験があります。

Twitterで書ききれない内容をブログの中で好き勝手書いています。
このブログが誰かのお役に立てれば幸いです。

※ブログの更新は不定期です。

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