医療現場において、「人員不足」は日常的である。
「人が多い」と感じることは殆どない。
どこもかしこも「マンパワー不足」と叫んでいる。
有名な話の中に、『2:6:2の法則』というのがある。
聞いたことがある人も多いと思うが・・・
優秀な人2割
普通の人2割
できない人2割
また、
『全体の2割の人で80%の生産性を確保している』とも言われる。
必死で働く人2割
普通に働く人2割
サボる人2割
とも言える。
この『できる人の2割』や『必死で働く人の2割』だけを集めても、この中で「2:6:2」になるらしい。
人間というのは面白いものである。
こう考えると、2割の人は「忙しい」と言い、6割の人は「それなりに仕事がある」と感じ、残り2割は「さほど忙しくない」と思っているのかもしれない。
「マンパワー不足」は実際にあると思うが、「何が適切なのか」を知っておかないと失敗する。
「今まで8人いたのに、6人になった・・・だから人が足りない」という事ではない。
では、「8人が10人になったら多すぎるのか?」というと、それでも「足りない」と言うかもしれないし、一度10人にして、8人に戻すと、今度は「足りない」と言うだろう。
つまるところ、「足りている」「足りていない」は感情的なものであることが多い。
患者さんを均等に5人受け持てば良いというわけでもない。
5人のうち、1人が重傷者なら「足りない」となる。
現場の管理者はこの判断を常に考えておかなければならない。
どこを基準として「足りている」「足りていない」というのか。
看護部長クラスの人たちは「頭数」でしか把握しようとしない。
「受け持ち患者数」だけで看護師の数を振り分けようとする。
「重症な患者がいる」
「認知症がある」
「不穏患者がいる」
という、「手がかかる重さ」まで見ようとしない。
「現場の『足りない』」と「上の人間が言う『足りている』」の乖離は常に生じるものである。
現場の管理者(師長)の手腕はそこにあり、それをどう伝えていくかが問われる。
忙しい中でも「データ」を出さないと客観的に見ることはできない。