社会に出ると、『プロセス』や『感情』よりも、『結果』を求められる。
どんなに時間をかけても、どんなに大変な思いをしても、結果が出せなければ認められない。
小さい頃は、「頑張ったから合格」と言われていたことも、成長するにつれ、頑張っても結果が出なければ「合格」はもらえない。
人間は賢い動物なので、そのうち「頑張っても無駄」「できない」と思い込み、取り組もうとさえしなくなる。
アリストテレスは、将来の目的を最優先にした行為を「キーネーシス的な行為」と呼んだ。
キーネーシスとは「運動」という意味だそうだ。
一方で、将来の目的を度外視し、今この瞬間に集中する行為を「エネルゲイア的な行為」と呼んだ。
エネルゲイアとは「現実活動態」という意味だそうだ。
将来の目的を最優先にした「キーネーシス的な行為」は、今の楽しみを犠牲にして将来の自分のために備蓄する行為がそれに当たる。
大事なことであるが、ストレスが溜まる。
しかし同時に、不安を減らすものでもある。
反対に、エネルゲイア的な行為は、今の瞬間、瞬間を楽しんだり、集中して取り組んだりする行為である。
しかし、最終的にはこの「行動」が、「良い結果」に導くそうだ。
「今この瞬間」に没頭することでパフォーマンスが上がり、プロセスを楽しむことができる。
結果的に自然と結果が付いてくるというものだ。
結果はプロセスを楽しんだ「おつり」のようなもの。
もらえる時もあるし、もらえない時もある。
初めから「結果」を求めようとすると上手くいかない・・・という事らしい。
私たちはよく、「目標を持って取り組め」と言われる。
目標を持つことは大切であるが、その結果は求めない・・・というのがポイント。
目標に向かって行動しはじめ、目の前の取り組みを楽しむ。
私達にできるのはここまで。
「結果」は選べず、どうなるかわからない。
7つの習慣の中にも、「選択」と「結果」の話が書いてある。
電車に飛び込むという「選択」はできても、結果的に死ねるかどうかは選べない・・・という内容の話である。
「結果は選べない」と割り切っていれば、ずいぶん楽になる。
目の前の「できること」に集中して、プロセスを楽しもう。
自分で結果は選べないが、それ相応の結果が待っているはずである。