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看護師に向いてない

看護師に向いてない

 

看護師の中には「私、看護師に向いてない」と思う人が一定数いる。

中には、先輩から「あなた看護師に向いてない」と言われている人もいる。

 

私は看護師として働いて20年以上になるが、この「向いてない問題」は私が新人の頃からある。

私も自分自身が「看護師に向いてない」と思っていた一人であり、「向いてない」と言われた人間である。
そんな私でも20年以上看護師を続けているので、「向き、不向き」なんてわからないものである。

 

自分で「向いてない」と考えるのは自由だが、他人が「向いてない」と本人に言うのはいかがなものかと思う。

言ったところで、本人をイヤな思いにさせるだけである。
思っていたとしても、人前で口に出すセリフではない。

 

そもそも、「看護師に向いている」とは何なのか・・・

 

病院は色んな病院があり、科がある。
「急性期病院に向いていない」人は「慢性期病院には合う」人だっている。

 

 

私が師長になってすぐ、「向いてない」と言われていた新人看護師がいた。

彼女は仕事をこなすスピードが遅く、頭の回転が早いほうではなかった。

他人が言っている事をすぐに理解できない場面もあり、いわゆる「天然」と言われているような人だった。

 

しかし、彼女には患者さんに対する「優しさ」や最後まで仕事をきちんと終わらせて帰る「粘り強さ」があった。
また、周囲の人をバカにしたり、他人の悪口を言うことは無かった。

 

前の師長からの引き継ぎで「1年経っても夜勤の独り立ちができない」「任せられない」という情報をもらっていた。

1年目で経験も知識量も少なく、話し方もゆっくりで「頼りなさ」が目立っていた。

 

しかし私は「向いてない」とは一度も思わなかった。

看護師に求められるスキルは「知識」や「スピード」だけではない。
人としての「優しさ」や「癒やし」も必要である。

能力はまだ低いが、「信用できる」と思っていた。

3ヶ月ほど、定期的に本人と話し、夜勤の独り立ちに成功した。
はじめの方は残業があったが、すぐに定時に帰れるようになった。

 

「環境が人を育てる」という事を彼女から教えてもらった。

 

あれから4年が経ち、彼女は「優しい良い先輩」として活躍している。

彼女の強みは「粘り強さ」である。
どんなに辛い目にあっても諦めなかった。
仕事が終わらず、遅くなっても最後まで責任を持ってこなした。

 

そしてその経験が今では後輩の指導に役立っている。

そして私は彼女を見て自信がついた。

 

「適応」は見分ける必要があるが、「本質」を捉えれば間違いなく成功する。

一面だけを見て「合う」とか「合わない」とかはジャッジできないが、私は色んな仕事のスタイルがあって良いと思う。

少しでも「相手の役に立ちたい」という想いがある人は必ず看護師に合う。

 

恐らく人間は「相手の役に立ちたい」という想いは必ず持っている。
本人は気づいていない(言語化できない)だけで、どこかで『他人の役に立ちたい』という想いはDNAに刻み込まれているはずである。

 

つまり、「看護師に合わない人は一人もいない」という事が言いたい。

やり方や環境を整えれば、患者さんの役に立てるはずである。

 

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この記事を書いた人

【めで師長】
ある総合病院で看護師長をやっています。
看護師経験は20年以上で、精神科・ICU・内科病棟の経験があります。

Twitterで書ききれない内容をブログの中で好き勝手書いています。
このブログが誰かのお役に立てれば幸いです。

※ブログの更新は不定期です。

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