暴力患者の対応

管理者(師長)へ向けて 仕事のこと(医療・看護)

暴力患者の対応

暴力をふるう患者にどう対応するか

  • 入院患者さんに殴られた
  • 叩かれた
  • 蹴られた
  • 首をしめられた
  • 噛みつかれた
  • 物を投げつけられた

は、病院で働いていると結構ある。

 

生活環境が突然変わったり、身体の状態が悪化する事による「せん妄」
近年、話題になっている「認知症患者」
事故の後遺症による「高次機能障害」

など・・・

要するに「感情のコントロールができなくなっている」状態に陥りやすい。

 

自分の思い通りに行かないことがあると、怒鳴りつけたり、暴力行為があったりする。
本当に困ったものである。

 

一般的に、社会の中で暴力行為があれば「警察に通報」であるが、病院に入院中は滅多なことでは「警察沙汰」にはならない。

 

個人的にはこれに納得していない。

 

女性の多い看護師が、男性患者から叩かれた時の衝撃やメンタルを考えると、「病気だから仕方ない」とは言えない。

 

私は過去に警察を呼んだこともあるし、精神科に引き取ってもらったこともある。

 

以前、40代の下半身不随の男性患者が殴ってきたことがあった。
もともとの思想が歪んでいる患者で、近くにいる高齢患者に対しても「お前たち、はよ死ね」などと普段から暴言を吐く患者であり、気に入らないことがあれば、物を投げたり、看護師を叩いたりする行為があった。

ある日、その患者が隣の認知症患者に「こいつうるせー」と言って殴りかかった。

発見した看護師がすぐに止めたが、「次は金槌で頭をかち割る」などと反省の色が全く無かったので、警察を呼んだ。

警察から指導されたが「俺は悪くない」の一点張り。

 

逮捕して連行されると思っていたが、「今、暴れているわけではないし、病気のある人を逮捕して、状態が悪くなったら対処できないので、現実的には連行できない」とのことである。

こういう場合、警察は当てにならないのだ。

もちろん、強制退院の対象であるが、引き取る家族もおらず結局入院継続になった。

 

最近は、50代の患者が夜勤帯に女性スタッフを殴った。

せん妄状態にあったと思われるが、病室の壁に向かって排尿をしようとしていたので、看護師が「トイレに行きましょう」と誘導すると殴られたらしい。

朝には「すみませんでした」と言っていたが、家族の引き取り手もなく、最終的には精神科に転棟してもらった。

 

 

認知症患者に関しては、強制退院が難しく、精神科入院になる場合が多いが、精神科は輸液管理やリハビリができないなどの問題があり、病気の治療が難しくなる。

特にADLが低下している患者は精神科では引き取ってもらえない事が多い。

 

つまり、処遇困難な事例の対処が難しい社会構造になっている。

 

施設によって対応の違いがある点も大きいと感じている。

 

医療は「契約」である。
治療に同意がある人との契約で医療を提供する。

認知症の患者でも「帰りたい」と言えば帰さなければ「軟禁」になる。
家族が「帰ってきてもらうと困る」と言うなら、施設に入ってもらうしかない。

 

時々家族から

  • 鍵をかけて出られないようにしてほしい
  • 電話をかけないようにしてほしい

などと要望があるが、それはできない。

軟禁や通信の妨害はできないのだ。

 

管理職として本当に悩ましい問題である。

  • 患者の判断能力が怪しい
  • 家族は家に連れて帰れない
  • 精神科には入りたくない(患者または家族)
  • 病院のルールが守れない(暴言・暴力・エスケープ行為など)

こういう患者にどう対応して、スタッフをどう守るか。

 

いまだに明確な答えは見つかっていないが、今後の課題として病院側と詰めておかないといけないな・・・と感じている。

「病院としてこのように対処します」という基準を作っていないとスタッフを守れない。

個人的には

  • エスケープ→家族が捜索願い
  • 暴言・暴力→警察へ通報

で良いと思っている。

  • せん妄だから仕方ない
  • 認知症だから何をやっても良い

には賛成できない。

次の自分の課題にしようと思う。

  • この記事を書いた人

mede

【めで師長】 ある総合病院で看護師長をやっています。 看護師経験は20年以上で、精神科・ICU・内科病棟の経験があります。 Twitterで書ききれない内容をブログの中で好き勝手書いています。 このブログが誰かのお役に立てれば幸いです。 ※ブログの更新は不定期です。

オススメ記事

mede 1

もくじ1 看護師の勉強は少しずつ取り組むと良い2 『エキスパートナースの知恵袋』は救世主3 豊富な知識やスキルは毎日の学習でしか身につかない 看護師の勉強は少しずつ取り組むと良い 先日、とても面白い本 ...

看護師の勤務表の作り方 2

もくじ1 【めで流】看護師の勤務表の作り方2 ほとんどの看護師が勤務表に満足していない3 看護師の勤務表作成はコツがわかれば早く作れる3.1 ①スタッフから希望を聞いたら、希望表をコピーする3.2 ② ...

看護師おすすめ本 3

もくじ1 看護師におすすめする勉強本2 看護師が勉強を行う上でのポイント3 自分を管理する方法を知る4 お気に入りの本3冊 看護師におすすめする勉強本 先に言っておくが、今回選んでいる本は私の『主観』 ...

師長ブログ 4

もくじ1 看護師長は「言葉」を知っておかなければならない2 看護師も強みを活かす時代3 保存版〜強みワード 看護師長は「言葉」を知っておかなければならない   皆さんは手元に『強みワード』を ...

-管理者(師長)へ向けて, 仕事のこと(医療・看護)