知識を得るだけでは生産性は上がらない
『知識』は大事であるが、『知識だけ』ではダメだ。
何でもそうだ。
「知っている」と「できる」は違う。
SNSなどで「認定看護師や専門看護師がマウンティングを取ってきて嫌い」という文を目にしたことがあるが、「マウンティング」と同時に、「あなた出来るの?」という疑問があるから拒絶したくなるのだろう。
『知識の量』だけで乗り切ろうとしても難しいのだ。
私が大好きな山口周さんも以下のように述べている。
(たびたび山口周さんの本を引用して申し訳ない)
知的生産性というのは「思考の技術」そのものよりも、「情報をどう集めるか」とか「集めた情報をどう処理するか」といった「行動の技術」、いわゆる「心得」 によってこそ大きく左右されます。
知的生産性というのは「思考の技術」そのものよりも、「情報をどう集めるか」とか「集めた情報をどう処理するか」といった「行動の技術」、いわゆる「心得」 によってこそ大きく左右されます。
- どこを目指しているのか。
- 何を達成しようとしているのか。
- そのための情報収集はできているのか。
- 行動できるのか。
など、知識以外の部分が無いと上手くいかない。
「ちょっと」勉強ができる人間はここを勘違いする傾向にある。
本当に賢い人は、やってみて(行動して)修正する。
私は師長になって、マネジメントに関する本を10冊以上読んだ。
おかげで色んな知識を得ることができた。
しかし、これだけでは全く上手くいかなかった。
外部から優秀な人を集めようとしたこともある。
新人を鍛え上げようと考えたこともある。
しかしこれでは上手くいかない。
1人の力を上げても、生産性は上がらないのだ。
組織は1人ではない。
『集団』なのだ。
1人を10ポイント上げる方法ではダメだ。
10人を1ポイントずつ上げないといけないのだ。
それなりに時間がかかる。
効果はすぐに出ない。
時々「修正」が必要になる。
認定看護師や専門看護師が上手く働かない組織は、その部分がわかっていない。
「知識のある人」の人数を増やしたところで解決しない。
認定看護師や専門看護師は『知識』はあっても、マネジメント手法を知らない。
自分の知っていることを「教えてあげる」ではダメなのだ。
一緒に実践して「問題を解決する」という事象に関わっていかなければならない。
まずはじめに必要なのは、スタッフからの『信頼』である。
『信頼』が得られていない状態では、何も機能しない。
7つの習慣(スティーブン・R・コヴィー)で言う所の、「信用残高」が無いとダメなのだ。
※『7つの習慣』は師長は何度も読むべきである。
(私は15回読んだ。読むたびに新しい発見がある。)
知識があるからと言って、調子に乗るものではない。