管理者になって、定期的にデータをしっかりとまとめるようにしている。
日々、忙しい毎日の中で「良くなっているのか」「悪くなっているのか」「変わらないのか」はデータを取っていないとわからない。
- のべ患者数
- 回転率
- 平均在院日数
- 褥瘡件数
- MDRPU件数
- 転倒件数
- 重症度、医療・看護必要度
など
他にも何点かデータを取っている。
この仕事は「管理者(師長)」にしかできない作業だと思う。
スタッフは「ベッドサイドケア」に忙しい。
常に患者の方を向いてもらっておく必要がある。
データ取りは管理者が行い、スタッフに定期的に「良くなっている」「悪くなっている」と伝えていく。
日々、業務の改善を繰り返していれば、「良くなっていく」のは必然であり、結果的にスタッフに「良くなっている」と伝えることができる。
「良くなっている」と聞いたスタッフは、やる気が出て、更に良くしようとする。
いわゆる「正のループ」が生まれる。
「小さな事」が「大きな成果」として現れる瞬間である。
先日、驚いたことがあった。
看護部長と面接を行ったのだが、その中で「こうしてデータを出しているのはあなたくらいなものよ」と言われた。
嫌みだったのか、褒め言葉だったのか分からないが、他の師長はデータを取っていないらしい。
全ての師長が取っていない訳ではないと思うが、データを取っている師長の方が少ないようだ。
確かに、前の師長からの引き継ぎでは「データ」は何一つ無かった。
「どんぶり勘定」で評価しているのか?
ビジネスにおいて「測定」は基本である。
面倒だが、測定しないと見えないことがある。
「なんとなく良くなった」では、良くなった「タイミング」や「要素」が分からない。
人間は「感情」があるので、「忙しい」「ヒマ」など感覚で錯覚しやすい。
過去3~4年くらいのデータを俯瞰してみると、だいたい同じようなタイミングで動きがある。
4月は転倒が多い
6月は患者が少ない
8月頃から増えてくる
など・・・
全体の動きが見えれば、冷静に判断する材料になる。
「病棟の特色」もそれにより見えてくる。
もちろん、「データ(数字)」だけが全てではない。
しかし、データに立脚したアセスメントは当たる確率が高い。
私たちは患者さんの『バイタルサイン』を取ってアセスメントする。
病棟のデータを取ることは、『バイタルサイン』を取ることと似ている。
「データ」を取っていないのは、バイタルサインを取らずに患者のアセスメントを進めようとしているような物である。
バイタルサインが全てではないが、アセスメントの判断要素になり、その後の展開に影響する。
データは必要である。