看護師ブログめでろぐ

管理者(師長)へ向けて 仕事のこと(医療・看護)

インプットとアウトプットは別物

4月になり、スタッフに「今年の目標」を提出してもらっている。

どこの施設もあるかもしれないが、当院では「上期」と「下期」に分けて「取り組む目標」を提出するようになっている。

目標は「レベル」によって違い、1レベル(新人~3年目程度)~5レベル(師長クラス)がある。

  • 1レベルの人は自分たちの取り組みを主とする
  • 2レベルの人はチームメンバーとしての取り組み
  • 3レベルの人はチームリーダーとしての取り組み
  • 4レベルの人はスタッフ育成への取り組み
  • 5レベルの人は管理的な目線(ヒト・モノ・カネ)で書く

4月から部署が変わり、はじめてのスタッフばかりなのだが、目標設定ができないスタッフばかりで驚く。

前の師長が十分に説明しておらず、レベルに関わらず「高すぎる」目標を挙げさせていたようだ。

そのおかげで、「レベルの説明」から行わなければならない。
(正直、うんざりしている・・・)

 

 

先日2年目看護師(1レベル)のスタッフが目標を提出してきた。
「オンラインの勉強会に参加し、その内容をまとめ、スタッフに勉強会を行う」という目標であった。

 

自分の経験や知識が不足しているのに、スタッフに勉強会を行う・・・という事ができるのか?

 

彼女は決して「できる人」ではない。
仕事には一生懸命取り組んでいるが、自分から声を上げて周囲に絡んでいくタイプではない。
どちらかと言うと、大人しく、言われたことをこなす受け身のタイプである。

 

もちろん、ヤル気があれば勉強会に取り組んでもよいが、「難しくないですか?」と聞いてみると「はい」と小さく答えた。

そして、「前の師長さんの時は、このような目標じゃないと受け取ってもらえなかったので・・・」と言った。

評価は常に「C」だったらしい。(そりゃそうだ)

適切に目標を立てないと、自尊心が損なわれる。

 

 

インプットとアウトプットは全く別物である。

 

勉強会に参加して、自分の中で知識として定着させる事はインプット。
内容を噛み砕いて、周囲の人のレベルに合わせて話すのがアウトプット。

 

一見、同じように見えても、そこには天と地ほどの差がある。

ある程度経験を積んで、技術があれば、アウトプットは可能かもしれないが、経験や知識が定着していない状態ではできない。

Twitterでは沢山の人が「勉強の知識」を発信(アウトプット)しているが、ある程度自分の中に落とし込めていないとできない芸当である。
簡単に出来るものではない。

 

彼女と話し、今年度の目標は「勉強会に参加し、その内容を自分のノートにまとめる」にとどめた。
可能なら1年目の看護師に関わってほしいと話した。
今はインプットができれば十分である。

 

まずは「自分が頑張ればできること」に注力しよう。
高すぎる目標は自分自身を傷つけるだけである。

  • この記事を書いた人

mede

【めで師長】 ある総合病院で看護師長をやっています。 看護師経験は20年以上で、精神科・ICU・内科病棟の経験があります。 Twitterで書ききれない内容をブログの中で好き勝手書いています。 このブログが誰かのお役に立てれば幸いです。 ※ブログの更新は不定期です。

オススメ記事

mede 1

もくじ1 看護師の勉強は少しずつ取り組むと良い2 『エキスパートナースの知恵袋』は救世主3 豊富な知識やスキルは毎日の学習でしか身につかない 看護師の勉強は少しずつ取り組むと良い 先日、とても面白い本 ...

看護師の勤務表の作り方 2

もくじ1 【めで流】看護師の勤務表の作り方2 ほとんどの看護師が勤務表に満足していない3 看護師の勤務表作成はコツがわかれば早く作れる3.1 ①スタッフから希望を聞いたら、希望表をコピーする3.2 ② ...

看護師おすすめ本 3

もくじ1 看護師におすすめする勉強本2 看護師が勉強を行う上でのポイント3 自分を管理する方法を知る4 お気に入りの本3冊 看護師におすすめする勉強本 先に言っておくが、今回選んでいる本は私の『主観』 ...

師長ブログ 4

もくじ1 看護師長は「言葉」を知っておかなければならない2 看護師も強みを活かす時代3 保存版〜強みワード 看護師長は「言葉」を知っておかなければならない   皆さんは手元に『強みワード』を ...

-管理者(師長)へ向けて, 仕事のこと(医療・看護)