部署が異動して、周囲から「めで師長、病棟を変えて下さい」とよく言われる。
前の部署を大きく変える事に成功したので、それを知ってからか・・・
複数の人に言われる。
医師からも「めで師長に変わって良かったです」と言われる。
前の師長はそんなにダメだったのか?
前の師長は感情コントロールができないタイプの管理者だったらしい・・・
感情コントロールができない人は嫌われる。
周囲から期待されるのは嬉しいことであるが、残念ながら私が変えるのでは無い。
私が変えられるのは『私自身の行動』だけである。
人間は基本的に変わらない。
周囲から指摘されて「変わる人」はほとんどいない。
変わるのは自分自身が「変わろう」と思った人だけである。
だから私は「この人をこう変えよう」とは思わない。
せいぜい「良い影響を与えよう」とするのが精一杯である。
もう一つ。
人間は「変化」を基本的に好まない。
「変えたい」と口では言いながら、変えようとする事に「不安」を覚える。
どんなに仕事が辛くても、辞められないのはこの「不安」のせいである。
「いつか良くなる」
「誰かが良くしてくれる」
とでも思っているのか・・・
自分たちが変わらないと、職場は良くならないのだ。
「変えてください」という人に対して「あなたが変われば?」と返すような野暮な事はしないが、内心は「自分たちで変えないと変わらないよ」と思っている。
管理者の仕事は「変化」を歓迎し、「不安」を軽減することである。
管理者が「このようにやりなさい」と命令しても、変わるのは一時的である。
気がつけば元に戻っている。
「中にいる人たち」が変えていかないと元に戻る。
スタッフが抱える「失敗するかもしれない」という不安を取り除く事が大切である。
「絶対に守るから」
「失敗しても何とかするから」
「上手くいかなかった時はまた一緒に考えよう」
という言葉がけも有効な場合がある。
私は新人に「いっぱい失敗して良いからね」と言っている。
失敗の報告を受けた時点から管理者の仕事である。
「不安」が「安心」になった時、部署が一気に変わるはずである。