「師長(管理者)はリーダーではない」
と言うと、皆さんはどう思うだろうか?
いや・・・やっぱり師長(管理者)がリーダーでしょ・・・
と思う人も多いかもしれない。
リーダーとは何なのだろうか?
突然問われると答えるのが難しい。
リーダーとは一般的に『先頭となるもの』
『集団を統率する存在』と理解されている。
語源は、インド・ヨーロッパ語の【leith】で「敷居を越える」「死ぬ」という意味だそうだ。
つまり、リーダーの役割とは
未知の世界に出発すること
とも捉えられる。
私は以前、マネージャー研修を受けたことがある。
マネージャーとしての考え方を学ぶ研修だ。
いわゆる「コンサルタント」という人が教えてくれる学習会。
師長になったばかりだったので、とても勉強になった。
その中で、『リーダーとは別の未来を感じさせてくれる存在』とあった。
私は『希望を与える人』と理解している。
管理職やマネージャーは『場や目標を管理する人』である。
役割はPDCAを回し、それぞれの影響力(個人の強み)を活かす人。
それは単に『リーダー』とは言わない。
ある人の行動が周囲の人に影響を与え、結果として周囲の人が「決断力」や「強さ」「寛容さ」を感じる。
強みを活かして、相手にそう『思わせる』事をリーダーシップという。
少し難しいが・・・
簡単に言えば、新人看護師であっても、自分の強みを生かし、周囲に良い影響を与え、周囲の人が「あの人のように働こう!」と思えたなら、その新人看護師はリーダーシップを発揮しているという事になる。
その結果、「今は辛いけど、今から良くなる!」という希望を周囲の人に与えたなら、その人はリーダーである。
リーダーは師長(管理職)のものではない。
嫌味ばかり言い、スタッフを責めて、「もう嫌だ」「もうダメだ」と思わせるような管理者はリーダーではない。
スタッフに良い経験が出来るよう『機会』を与え、サポートし、未来を見せる事。
最高のリーダーとはそういうものだ。
ライフ・イズ・ビューティフルという映画を見たことがあるだろうか?
戦争中の話なのだが、父親が子供に「これはゲームだ」と言い、「見つかったら負け」と説明する。
殺し合い(戦争中)にも「ゲームに勝つ」という「希望」を持たせる映画である。
最後に父親は殺されてしまうのだが、戦争が終わり子供と妻は助かる。
(父の死を知らずに)子供は「ゲームに勝った!」と喜ぶ場面は胸が張り裂けそうになる。
父親は立派なリーダーであった。
古い映画だが、時間のある時にぜひ一度見てほしい。
名作であり、リーダーの本質を知ることが出来るだろう。