「面倒なこと」は効率を落としている
日々の仕事の中で、「これ、面倒くさいなぁ」と思うことはないだろうか?
「面倒くさい」と思う事はネガティブな感情が働いているという事だ。
その『面倒くさい事』は些細なことかもしれない。
しかし、「些細なこと」をシッカリと潰しておかなければ、大事な事ができなくなる。
●胃管が挿入された患者さんに内服を投与する場合。
内服薬が潰されてないと、「潰す作業」から入らなければならない。
この「ちょっとした事」が意外と面倒くさい。
●普段使用しているシリンジを引き出しの中に補充する作業
最後の一つを取った人が『面倒くさい』を請け負わなければならない。
急いでいる場合は、補充を忘れて、「最後の人だれ~?」となる。
●『常備薬のチェック』も、やってみると意外と面倒くさい
『面倒くさい』をゼロにはできないかもしれないが、
「面倒くさい」と思う事は、改善できる可能性を秘めているという事である。
カイゼンと口で言うのは容易いが、実際に行おうとすればかなり難しい。
私の病棟は、シリンジなどの物品補充をゼロにすることに成功した。
今まで注射台の引き出しにシリンジや注射針、ルートなどを収納し、
必要に応じて、誰かが『補充』していたが、この補充をゼロにした。
おかげで「シリンジが所定の位置にない」という事が無くなった。
全ての物品を「棚」に置くことにし、引き出しは撤去した。
引き出しがあると、誰かが物を入れてしまうので、思いきって捨てた。
棚の『前』から必要物品を取る。
オーダーされて届いた物品は棚の『後ろ』から補充する。
こうすることで、古いものから確実に消費され、
何が減っているのか、すぐに分かるようになった。
面倒くさい補充が無くなり、看護師のストレスが減った。
加えて、業務のスピードが大幅にアップした。
「物を探す事」がいかに無駄で、いかにストレスか・・・
改善に成功した事例である。
いまだに改善に成功していない症例もたくさんあるが、
このような小さな改善は日々行っている。
時々自分たちの業務を見直すと良い。
自分が「面倒くさい」と感じている事は、
誰かも同じように「面倒くさい」と思っている。
たった一つで良い。
その積み重ねが大事なのだ。
イチローは言った。
「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています。」
小さな改善はやがて大きな結果を出す。