プロジェクトメンバーのトラブル
今、自分の部署で4人のスタッフにある『プロジェクト』をお願いしている。
4人のメンバーは決して気の合うメンバーではない。
どちらかというと、関係性はあまり良くないのかもしれない。
しかし、私はあえてその4人を選出してプロジェクトを任せてみた。
今後、自部署の中心的な役割を担ってもらいたいと考えているからだ。
プロジェクトが始まって1ヶ月ほど経つのだが、リーダーを任せていたスタッフのAさんが
「もうムリです」
「メンバーで意見が合いません」
「Bさんが私の意見を否定してきます」
と相談してきた。
皆さんはこのような時、どう対処するだろうか?
管理者の『期待』が達成に向ける
Aさんの話をしばらく黙って聞いた後、
[st-kaiwa1]「難しいなら外れますか?」
「強制はできないので、外れるならそれでも大丈夫です」
「ただ、私は『できる』と思いメンバーを選出し、期待しています」
「Aさんは『できない』という不安に押しつぶされそうになっているように見えますが、十分な実力があり、能力は高いと私は思っています。」
「それでも『無理』だと仰るなら、メンバーを入れ替えることも可能です」[/st-kaiwa1]
と伝えた。
ピグマリオン効果
「ピグマリオン効果」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
ある本から引用させて頂く。
ピグマリオンは、ギリシャ神話に登場するキプロスの王様です。
彼は王様であると同時に彫刻の名人でした。
ある日、自らが象牙で作った女性の像に恋をしてしまい「これが本当の人間であったら」と願うようになりました。これを見かねた愛の女神アフロディーテが彫像に命を与えて人間にした、というお話があります。
この神話が転じて、「期待し続けることで良い成果が生み出される現象」をピグマリオン効果と呼ぶようになりました。
※引用させて頂いたのはこの本です
『ピグマリオン効果』とは、一言で言えば、「人は、期待されると、期待されたどおりの人間になる」という効果である。
4月から新人看護師が入職してくるが、「優秀な新人」と期待すれば、優秀な新人に育つ。
逆に、「できの悪い新人」と考えて育てると、伸びない。
私たち「周囲の人間」の期待により、育ち方が変わってくるという話である。
期待に応えたいと考えるスタッフ
冒頭の話に戻るが、Aさんは結局、
[st-kaiwa5]「そうやって期待されるのは嬉しいです」
「師長がそう言うなら、もう一回頑張ってみます」[/st-kaiwa5]
とチャレンジする事を選んだ。
今回私がやったことは、
- とにかく、じっくりと話を聞く
- 「なるほど・・・」と黙って聞く
- 話が終わったタイミングで「よくわかりました」と相手の主張を受け入れる
- 同時に『期待している』事を伝える
- 最終判断は相手に委ねる
の5段階である。
師長が「何言ってるの?」「やってもらわないと困る」などと言うと逆効果である。
「やらされ感」ばかりが残り、本人のやる気を削ぐ。
あくまで決めて行動するのは相手である。
こちらが決めることではない。
これを勘違いしている師長(管理者)が多い
「仕事だから仕方ないでしょ」と考えていても、それを相手に感じさせてはいけない。
その程度の管理なら誰にでもできる。
「相手を動かす」「生産性を高める」というのは、相手を理解するところから始まる。
管理者はシッカリと話を聞いて、期待することだ。