どの世界も同じかもしれないが、時々「危険ワード」を使っている先輩を見る。
「あなたのためを思って言っているの」
「○○さんはできるのに、あなたはなぜ・・・」
「これ、わかった?」
このような言葉は、躾(しつけ)として間違っている。
言われた人は、立場的に弱い人であろう。
こう言われた後輩は、先輩の機嫌を取るために、その場を取り繕うだけになる。
このような言葉を言われると、弱者は黙って従うしかなくなる。
言った方は気持ちよく「私が教えてあげた」「とても良い教育ができた」と思っているのかもしれないが、
これは「わからせた」のではなく、先輩の価値観に沿った方向にコントロールして「黙らせた」だけである。
この先にあるものは・・・
もう言わなくてもわかるだろう。
人間は賢い動物である。
特に「防衛反応」や「環境適応能力」は優れている動物である。
「先輩が気に入る事」を探し、自分が何をやりたいか(どんな看護師になりたいか)ではなく、「どうすれば上司(先輩や師長)に嫌われずに過ごせるか」を考える。
他人の価値観を優先する看護師になり下がってしまう。
10人いれば、10人の色があってよい。
10人の優しさがあってよい。
10人の看護があってよい。
患者さんの方を向いて、自分なりに「必要なこと」を考えて行動してもらいたい。
上司の機嫌を伺って働くような『奴隷』になるものではない。
管理者は『言葉は人の行動を縛る力を持っている』と頭に入れておくべきである。
一歩間違えると患者さんのケアの質に影響する。
何も考えないスタッフに成り下がると、集団が成長しない。
ひいては数年後に悪影響が出る。