先月『動線』の記事を書いた。
日々の業務を行う上で、動線を良く考えて、物を設置する事は大事である。
[st-card myclass=”” id=879 label=”” pc_height=”” name=”” bgcolor=”” color=”” fontawesome=”” readmore=”on”]
動線と同時に大切なのは『セット化』である。
トヨタのカイゼンには「2-bin(ツービン)」という用語があるそうだ。
例えば・・・・
病棟で「CVC挿入」という処置があるとしよう。
CVC挿入には
- アルコール綿花
- イソジン消毒
- 綿球
- ガーゼ
- カテーテル
医師によってはメーカーにこだわる医師もいる(コヴィディエンやアローなど) - 滅菌ガウン
- 滅菌シーツ
- 縫合針
- 縫合糸
- 持針器
- フィルムドレッシング
- マジック
- エコー
- エコープローベカバー(滅菌)
- 滅菌手袋
- 10ccシリンジ
- 23G針
- 局所麻酔
など・・・
色んな物品が必要になる。
CVC挿入があるたびに、この物品を集めて準備して・・・となると時間がかかる。
なので、この物品たちを一つの箱に『セット化』して組んでおく。
組むのは1セットではない。
2セット組んでおく。
突然2名のCVC挿入の処置が入ってもすぐに対応出来るようにするためだ。
1箱目を使った後は、2箱目を手前に出しておく。
CVC挿入後、落ち着いたところで、使った箱に補充して片付ける。
もちろん、補充用の「チェックリスト」を箱に入れておく。
写真付きでチェックリストを作っておけば、新人でも補充ができる。
補充は多く入れてはいけない。
『ガーゼ10枚が2パック』と決めたなら、2パック以上入れないルールにする。
人間は「万が一」に備えて多く補充したがるクセがある。
多く入れていれば安心・・・というわけである。
しかし、これをやってしまうと、結局使われずに滅菌期限が切れる。
物が多いと、今度は箱の中で探さなければならなくなる。
「適量」を見極めなければならない。
2セット組んで、1セットずつ使う。
突然の処置にも対応できる・・・
この仕組が『2-bin』である。
この仕組みは仕事の『均質化』に役立つ。
ベテランであっても、新人であっても、漏れなく物品を準備する事ができる。
「CVC挿入します」と医師に言われても、患者の体位を整え、3分後には処置が開始できる。
業務が中断されず、精神的にもかなり良い。
病棟でよくある処置については、セット化をオススメする。