今もどこかの施設ではあるのかもしれないが、
『師長だけ制服が違う(マークが入っている)』
『師長のナースキャップは線が2本入っている』
という「トップの象徴」が昔はあった。
私が今働いている施設は、その『象徴』は廃止されている。
スタッフも師長も同じ制服、同じ服装である。
名札に「師長」と小さく書かれてあるので、パッと見て誰が師長なのかわからない。
軍隊は、制服のマークやバッジの数などで階級がわかるようになっているそうだ。
『役職が高い=偉い』という発想の延長だろうが、
医療組織において、この考えはナンセンスだと思う。
「象徴(マーク)が無ければ、誰が師長かわからないじゃないか!」
という意見もあるかもしれないが、そもそも、「象徴」が無ければリーダーとわからないようではダメだ。
すぐに分からなくても、しばらく観察すれば、誰がリーダーかはわかる・・・
そういう組織を作っておかなければならない。
全体を俯瞰して、何が必要かを見極め、バランスを取りながら業務をこなしていく。
中に入りすぎず、距離を開けすぎず・・・が基本である。
現場に入りすぎると、スタッフが経験する機会を無くす。
距離を開けすぎるとスタッフが何をやっているのかが見えなくなる。
「お飾り師長」ではなく、みんなが信頼を寄せるトップでなければならない。
信頼は普段の業務の中で積み上げていくものだ。
一朝一夕に得られるものではない。
日々の業務の中で培っていくものである。
私の好きな「7つの習慣」の中では「信頼残高」という言葉が使われている。
信頼は貯金のようなものだ。
信頼残高が「ゼロ」では、何を言っても聞いてくれないだろう。
私たち師長は偉いわけではない。
マネジメントを生業としているだけである。
スタッフの中には「師長様」と言うスタッフもいるが、師長が「スタッフ様」とは呼ばない。
役割が違うだけなので、呼び方も「メデ師長」ではなく、「メデさん」で良い。
(スタッフは普段私のことを「メデさん」と呼んでいる)
心から『リーダー』として認められるよう、日々邁進していくしかない。