師長(管理職)になると『現場の様々な問題』の解決に関与するケースが多くなる。
管理職になったばかりの頃、私は「自分が解決させなきゃ」と意気込んでいた時期があった。
今まで経験したことの無い『問題』にぶち当たり、「なぜこんな事ばかり起きるのか」「この前も同じような問題が発生したのに」とネガティブになっていた。
解決策を探し、走り回り、自分の気持ちをコントロールするのに必死だった。
患者とのトラブルだけならまだしも、スタッフ同士の問題も起きる。
身内同士で攻撃しあって何になるのか・・・と思うが、人間が集まれば感情のズレは生じる。
解決策にはいくつか方法がある。
- 話を聞くこと
- お互いを責めないこと
- 相手から責められても認めること
- タイミングを間違えないこと
- アドバイスをしないこと
であると私は経験上思っている。
管理職(師長)はこのことを手帳にメモしておいてほしい。
この中でも、4の『タイミングを間違えない』はとても大事である。
「問題の解決は早い方が良い」と考える人が多いかもしれないが、そうでもない。
クレームに対しての対応は「早い方が良い」のだが、
それ以外の問題は時間をかける方が良い場合がある。
時間をかけることにより、『冷静に』なる。
そして、「周囲の声」が入ってくるので、良い方向に向かう。
問題を起こした本人が自分自身で間違えに気づき、冷静になる場合も多い。
時間さえ置けば、何もしなくてもよい場合もある。
有名な『一休さんの弟子』の話に、『なんとかなる』と言われて解決した問題がある。
何年かたって、寺に大変な難問題が持ち上り、どうしようもないので、弟子たちが集まって、その封書を開いてみると、そこには「しんぱいするな、なんとかなる」 と書いてありました。 とたんに弟子たち一同、大笑いの内に落ちつきと勇気と明るさを取戻し、難しい問題を解決できた、という話です。
問題は何とかなるものだ。
できない管理者は、報告してきた人に「なぜ?」「どういうこと?」と説明を求めようとする。
この『誤った一言』は、のちに大きな代償として返ってくる。
問題をややこしくしてしまう事に気づいた方がよい。
管理職(師長)が感情をあらわにして慌ててはいけない。
また、時にスタッフは「大げさに」報告してくる。
「なるほど」と言いながら話を聞き、慌てずに「わかった、大丈夫」と言えばよい。
不思議なのだが、それだけで解決する方向へ事態は向かう。
一つ一つ、時間をかけて問題を解決していこう。
今年もどうぞよろしくお願いします。