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『勉強会』が好きな医療者たち

気がつけば7月・・・
相変わらずコロナの話題がニュースで流れている。

 

しかし私は、コロナのおかげで無駄な「勉強会」が減って清々している。

 

だいたい、すぐに「勉強会」と言って集める風習は何なのか?

「勉強」は自分たちでどんどんやってもらってよいが、「会」にする必要はない。

 

そもそも、それを『半強制的に』行われるのは、たまったものじゃない。

「人数が少ないから」

「看護師の参加人数が少ない」

「外部から先生が来るから」

と言われて、半強制的に勉強会に参加させられる事があるが、何のための勉強会なのか?
話を聞きたい人だけが参加すればよいではないか。
メンツばかり気にして、頭がオカシイのではないかと思ってしまう。

 

 

『ラーニングピラミッド』というのをご存知だろうか?

知っている人も多いと思うが、そもそも「講義」というのは学習の『定着率』が悪い。

 

 

ネットの画像を拝借してきたが、「講義」の定着率は5%と言われている。

 

つまり、他人の話を聞いても、『ほとんど定着しない』ということである。

100分話を聞いても、そのうち95分は定着しないのだ。

他人の話を聞く「勉強会」が効率が悪いのは自明である。

 

それで「勉強をやった気」になっている人はおめでたい人である。
『一生伸びない』もしくは『伸びるのに時間がかかる人』である。

 

 

昨年、病院内で「褥瘡の分析結果」を部署ごとに発表する会があった。
(そもそも、この「会」の意味自体が不明であるが)

 

ある部署が、
「今年度、褥瘡が増えたのは、部署で勉強会に行った人が少なかったから」
と話していた。

 

そこの部署では、「褥瘡の勉強会」に行った人は5人/年だったそうだ。
それで、褥瘡が5件から8件に増えたのだと。

 

本気で言っているのか、冗談で言っているのか、理解するのに数分かかった。

 

危うく手を上げて、質問しそうになったのだが、
私の部署で「褥瘡の勉強会」に参加した人は2名である。

それで、褥瘡は約20件から7件に減った。

 

そう。

 

『勉強会参加人数』と『褥瘡発生件数』は全く相関がない。

褥瘡の原因は他の所にあると考えたほうが良い。

 

後からWOCNにこの事を話すと、「みんなに言わないで欲しい」と言われた。
「勉強会の参加率が下がるから・・」という理由だ。

 

『参加率』を気にして勉強会をするのなら止めたほうが良い。

どこを向いて医療をやっているのか甚だ疑問に感じる。

 

「褥瘡を減らしたい」のなら、本気で「カイゼン」に取り組むべきであろう。
勉強会を増やして、参加率を増やしても絶対に褥瘡は減らない。

 

やった側の自己満足で終わるのがオチである。

 

勉強会なんてやってはいけない。
話す側の自己満足で終わるのがオチだ。

 

私たちの時間は『有限』なのである。

せっかく時間を使うなら、「アクティブラーニング」と言われる内容に変えるべきである。

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この記事を書いた人

【めで師長】
ある総合病院で看護師長をやっています。
看護師経験は20年以上で、精神科・ICU・内科病棟の経験があります。

Twitterで書ききれない内容をブログの中で好き勝手書いています。
このブログが誰かのお役に立てれば幸いです。

※ブログの更新は不定期です。

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